薬では改善しない痛み…神経ブロック注射治療は怖くない?

医師と患者

薬を飲んでも改善しない慢性的な痛み…。手術をするほどではない場合、ブロック注射治療が有効です。「何だか怖そう」「注射が痛そう」など、ブロック注射治療によくある不安にお答えします

手術をするほどではないけれど、薬を飲んでも、なかなか痛みだけ取れず困っている。そのような場合、ブロック注射治療が治療期間を短縮し、鎮痛効果が得られる可能性があります。しかし、内服治療と比べて、なんだか怖そう、注射は痛そう、など、ブロック注射治療に、不安をお持ちの方もいらっしゃいます。

今回はブロック注射治療のよくある質問についてまとめてみました。安心してブロック注射治療を受けるための基礎知識として、お役立て下さい。
   

ブロック注射とは……効果・受け方

Q. ブロック注射は、どのくらい効果が持続しますか?
A. 効果の持続時間は、患者さまの病気や重症度によります。1回のブロック治療で、数日から数週間、治療効果が持続される方が多いようです。特に、ぎっくり腰の場合は、1~2回の神経ブロック注射で、すっかり治ってしまう方もいます。

Q. ブロック注射の中身(薬)は何ですか?
A. 局所麻酔薬です。痛み止めとしての作用はもちろんですが、筋肉を緩めたり、炎症を抑えたり、血流を改善する働きがあります。神経の炎症が激しい場合などでは、ステロイドを注入することもあります。

Q. 神経ブロック治療には、入院が必要ですか?
A. 局所麻酔薬を注入するブロック注射は、外来で行われるので、入院の必要はありません。痛みが激しい三叉神経痛やがんの痛みに用いられるアルコールなどの神経破壊薬を注入するブロック治療では、入院する必要があります。

Q. ブロック注射治療は、どこで受けられますか?
A. ペインクリニック科や麻酔科で受けられます。

Q. ブロック注射治療は、クセになりませんか?
A. クセになりません。注射という行為に対する誤解で、全くのデマです。ブロック注射は、保険適用のある安全で効果的な治療方法です。ご安心ください。

Q. ブロック注射治療は、何回受けることができますか?
A. 極端に言ってしまえば、ブロック注射を毎日受けることも可能です。通常、使用される薬量は局所麻酔中毒量の5%~20%程度ですし、身体への影響はとても小さいのです。しかし、ブロック注射の種類によっては、週に1回までとか保険診療上の規約があります。詳しくは、各病院にお尋ねください。

Q. ブロック注射治療は、対症療法ではないのですか?
A. 対症療法ではありません。患者様ご自身の治癒能力を活性化し、より効率よく痛みを和らげる治療方法です。対症療法とは、繰り返し行っても薬の効果が切れてしまえば痛みが元通りに戻ってしまいます。それに対し、ブロック注射治療は、血流の改善や炎症を起こした神経の回復を促すので、繰り返し行なうことで、徐々に痛みを緩和していきます。
ブロック注射、対症療法、ブロック注射の副作用

ブロック注射は、単なる対症療法ではありません
 

神経ブロック注射の副作用・痛み・注意点

Q. 神経ブロック注射の副作用には、どんなものがありますか?
A. 注射の痛み、出血、感染、アレルギー、神経障害などがあります。発症頻度は報告にもよりますが、重症な副作用の場合、0.001%~0.02% と言われています。一般的に、内科で処方されるお薬の副作用、例えば肝臓機能障害などの発症率は0.5%~5% と言われていますので、神経ブロック注射の副作用発現率は、非常に少ないものであると言えます。

Q. ブロック注射の副作用や後遺症が、心配なのですが?
A. 残念ながら、薬物治療から手術治療まで副作用や合併症のない医療行為はありません。しかし、神経ブロック注射を数多く経験した専門医の治療を受けることで、副作用の可能性を少なくすることができます。神経ブロック注射治療は、手術治療と内服治療の中間に位置する積極的な痛み治療方法です。薬で痛みのコントロールが十分出来ない場合には、治療方針の選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。

Q. ブロック注射は痛い、と聞いたのですが、大丈夫ですか?
A. ペインクリニック科医は、痛みの専門医です。まったく無痛というわけではありませんが、患者さまが注射の痛みを感じにくいよう、プロとして万全の対策を行います。できるだけ細い針を使用したり、呼吸法で痛みを感じにくくする方法もあります。「ブロック注射は痛い」と聞いていたので覚悟して来たけど、実際にブロック注射を受けてみると、思ったより全然痛くなかった、とおっしゃる患者様がほとんどです。よく分からないから、イメージが先行してとても痛いんじゃないか?と予想されることは当然です。でも、ブロック注射と言っても注射の一種ですから、死ぬほど痛い注射はありません。不安がある場合には、ブロック注射前に医師に相談しましょう。

Q. ブロック注射治療を行った後、注意することはありますか?
A. 当日は、激しい運動や大量にアルコールを飲むことはお控えください。傷の炎症を治そうとしている、ブロック注射治療の効果を弱めてしまいます。
ブロック注射とお風呂、感染、副作用

ブロック当日のお風呂は、入っていいですか?

Q. ブロック注射を受けた日には、お風呂に入れますか?
A. 痛みの部位に直接注射するトリガーポイント注射などの、体の表面に行うブロックでは入浴は可能です。しかし、腰部硬膜外神経ブロックのように、体の深部にブロック注射を行った場合には、当日の入浴は控えましょう。お風呂のお湯からの感染を予防するためです。
 

神経ブロック注射が受けられる条件・年齢

Q. ブロック注射は、何歳から受けられますか?
A. 入院して行えば、小児でも可能ですが、一般的な外来通院では成人であればどなたでも行えます。当院では、90歳以上の方にも行っています。

Q. 妊娠中もブロック注射は行えるのでしょうか?
A. はい、行えます。ブロック注射に使用される局所麻酔薬は、赤ちゃんに奇形を起こす可能性が最も少ない薬の一つです。よって、症状によっては、薬を飲む治療より安全な場合があります。なぜなら、薬を飲むことは、血流から全身に薬の影響を与える可能性があるからです。一方、ブロック注射では痛みの部位に極少量の局所麻酔薬を注射するので、全身への影響を最小限に抑えることができます。

みなさん、ブロック注射治療について、ご理解いただけましたでしょうか?

ブロック注射治療は、医学的論拠に基づいた保険適応のある医療行為です。安心して治療をお受けください。ブロック注射治療は、ヒトの持つ自然治癒力を高め、痛み治療期間を短縮させ、効率よく痛みを改善する可能性があります。積極的に痛みを取り除き、痛みのない生活、日常生活を取り戻しましょう。
 

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