「酒は百薬の長」を明らかに

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日本酒や副産物に含まれる成分の機能性が注目されています。

昔から「酒は百薬の長」と言われ、経験的に血行促進などの薬効や、「卵酒」などの手当が伝えられています。

日本酒の造り方の特徴は、米や水などの原料に、麹や酵母という二種類の微生物を使って発酵させることです。

発酵によっておいしくなり、また栄養素の吸収がよくなり、さらに新たな成分が生成されます。近年は日本酒やその副産物に含まれる成分の機能性などが研究されています。

例えばライオン株式会社は、清酒酵母に深い睡眠を誘導するアデノシンA2A受容体の活性化能を著しく高める効果があること、またヒトによる評価で睡眠の質の改善に効果が認められることを確認しました。

白鹿(辰馬酒造株式会社)では、日本酒やみりんなどにも含まれているある旨み成分を発見し、研究した結果、安全性はもとより、血糖値上昇抑制、コラーゲン産生促進、抗菌、中性脂肪蓄積抑制など、様々な機能性(ラットレベル)について明らかにしています。

また清酒や酒粕には、血圧上昇に関わるアンジオテンシンIIの生成に働く酵素の阻害効果のあることも報告され、他にも副産物である米糠のヘミセルロースの結成コレステロール低減作用や、酒粕にも様々な成分が注目されています。

酒粕については、以前の記事でまとめていますので、ご参考になさってください。

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適量をじっくり楽しむ

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おいしくても、適量を楽しむことを心がけましょう。

勘違いをしないでいただきたいのは、これらの多くは特定の有効成分についての作用であり、日本酒を大量に飲んでも効果があるとは言えません。おいしいからと飲みすぎる言い訳にはしないようにしましょう。

こうした成分を明らかにした企業は、サプリメントやスキンケア用品、化粧品などに応用されています。

国立がん研究センターでは、厚生労働省の大規模なコホート研究の結果などに基づき、「がん情報センター」のサイトで飲酒についてまとめています。
ある程度の量の飲酒は大腸がんをはじめとしたがんのリスクを上げる一方で、心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳梗塞のリスクを下げる効果があることが知られています。したがって、節度のある飲酒が大切です。
飲む場合は1日あたりアルコール量(純エタノール量)に換算して約23g程度(日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、焼酎や泡盛なら1合の2/3、ウイスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならボトル1/3程度)の量にとどめるのがよいでしょう。飲まない人や飲めない人の飲酒は勧めません。また、健康日本21では、「節度ある飲酒」として約20g程度までを勧めています。

またアルコール取りすぎると、寝つきはよくなりますが、後半の睡眠の持続性が下がるなど、睡眠などにも影響すると考えられています。日本酒は料理と組み合わせながら、適量をわきまえてじっくりと「味わう」楽しみを学びたいものですね。

アルコールの適量については、「肝臓をいたわるアルコールとの付き合い方」をご参考になさってください。

次のページでは、日本酒の製法などについて、剣菱酒造にお話を伺いしまた。