そのジブリ作品にはテーマ曲や劇中歌などにも名曲が沢山あります。聴いているだけで映画のワンシーンが浮ぶそれら珠玉の名曲をジャズ・ピアノ・トリオが演奏したものがコチラ!
まずは、1曲目「いつも何度でも」から聴いてみましょう!
この曲は大ヒットした「千と千尋の神隠し」のテーマ曲。この映画は、アカデミー賞をはじめ、世界中で最高の栄誉を受けた作品です。
この「いつも何度でも」は、不思議の国に迷い込んでしまう主人公「千」の瑞々しい感性を歌ったものです。ここでの、ピアニスト立石一海によるピアノ・トリオの、原曲よりも速めのテンポでの演奏は、困難に出会っても溌剌と明るい「千」のように軽快です。
2分を過ぎてからの繰り返される転調は、場面の転換をイメージして効果的。どんな状況に陥っても、負けずに両親を取り戻す勇気を持った「千」をイメージして、映画の場面が頭にドンドン浮かんでくる演奏です。
知っている曲ばかりで楽しいこのアルバムは、聴いている時間を忘れてしまうほど。あっという間に、12曲目の「帰らざる日々」になりました。
この曲は、ジブリにしてはしぶい大人のための映画「紅の豚」からの劇中歌。
ちょっとラフマニノフの2番を思わせるテーマは、ドラムのブラシがピッタリの見事なジャズに変わっていて、嬉しいかぎりです。アニメの曲とは思えない大人の雰囲気を持ったこの曲を立石一海・トリオはしっとりと聴かせてくれます。こういった、何気ない曲にも手を抜かないジブリの仕事の丁寧さに、さすがと思わせられます。
CDは最後に近づき15曲目、「テルーの唄」を聴いてみましょう!この曲は、「ゲド戦記」よりのテーマ曲です。
映画的には、いろいろ問題もあり、必ずしもジブリとしては成功したとは言えない「ゲド戦記」でしたが、このテーマ曲の美しさには魅かれます。
ちょっと日本の民謡のようにも、聴こえますが、主題歌として歌われた「こころを何にたとえよう」という歌詞が頭の中をリフレインして止みません。
2分30秒以降の立石によるソロが秀逸。魔法の世界を描いたゲド戦記のテーマを静かに、そしてリリカルに歌いあげます。
あっという間のジブリ・ジャズの旅でした。いかがでしたか?この他にもジブリ作品をジャズで演奏しているものは沢山あります。機会を見てご紹介していきたいと思います。ではまた、次回お会いしましょう!