医療保障が足りなくなるかも? 保険の見直しが必要
ですから、イザ入院というときに、今まで準備してある医療保障では足りないかもしれません。したがって、高所得者は医療保障を増やす見直しをしておきたいものです。見直しにあたって、まずは高所得者は医療保障をいくら準備しておけばいいか考えてみましょう。
高額療養費の対象になるのはほとんどが入院です。その入院のしかたで限度額が変わってきます。というのは、高額療養費の対象になるかどうかは、暦の1日~末日までにかかった医療費総額で判断するからです。ですから、同じ日数の入院でも、月をまたいだ場合はそれぞれの月で限度額までの負担が発生します。
例えば、月収51.5万円以上81万円未満の人がある月の15日に入院し、翌月の14日に退院したとして、入院開始月に医療費総額が100万円、翌月に60万円かかったとします。その場合の負担額の計算式は下記の通りです。
●入院開始月
16万7400円+(100万円-55万8000円)×1%=17万1820円
●翌月の退院月
16万7400円+(60万円-55万8000円)×1%=17万1600円
→限度額=17万1820円+17万1600円=34万3420円
差額ベッド代がかかることも
病室でパソコンや携帯電話を使って仕事をするかも…
入院は想定外の時期になることが多く、入院中でも携帯電話やパソコンを使って仕事をする、部下に指示を与えるなどで仕事をしたい(しなければいけない)人もいるでしょう。また、同室の患者に気を使いたくない、見舞客が多くて同室の患者に気兼ねしたくない場合もありそうです。
こういった場合は、個室を利用することになり、差額ベッド代は全額が自己負担になります。差額ベッド代は病院で違いますが、昨年、筆者が入院した病院には1日当たり1万円と1万8000円の個室がありました。
医療保障は1日いくらあれば十分かは何とも言えないのですが、会社員は1万5000円、自営・自由業は2万円が目安になります。
単体の医療保険で保障の上乗せを
医療保障を上乗せするには、足りない分、たとえば1日5000円足りないなら5000円、1万円なら1万円の医療保険に新規加入します。先進医療の保障が標準装備されていない時代に医療保障を準備した人は、この機会に先進医療の保障をつけましょう。すでに先進医療の保障つきの医療保障を持っている人は、入院と手術の保障だけでOKです。なお、月収51.5万円未満の人の医療費負担は今までと変わらないか減るので、医療保障の上乗せ見直しはしなくてもかまいません。