その業界や企業をよく知る人から「○○っぽい!」と言われるか
2つの目の合格率の測り方は「他者からの声」で測る方法だ。就職活動をしていると多くの社会人や同じ就活仲間との出会いがある。その時に自分の性格や雰囲気から「○○っぽい!」と言ってもらえることがあるのだが、その「○○っぽい!」という言葉にはその企業や業界への合格可能性のヒントが隠されている。
多くの社会人や就活仲間からの声をヒントにすることも重要
「○○っぽい!」ということは、その学生がその業界や企業で働いている社員と似ている部分がある、ということである。ということは面接をしても人事担当者は「うちで働いていそうだな」と入社後のイメージを持ってもらいやすいのだ。
「○○っぽい!」という表現が非常に曖昧だが、実はその業界や企業を知る人であれば同じ業界でも社員のタイプが違うことをよく知っている。例えば総合商社でも「A商事っぽい!」という学生と「B物産っぽい!」という学生は、2社をよく知る人からするとはっきり分かれる。するとどんなに優秀な学生であっても「A商事っぽい学生」がB物産を受けても「優秀だけど、うちの会社っぽくはないなぁ」と不合格になることもある。
私も学生時代に出会った社会人から「なんか、小寺くん、リクルートっぽいね」と言われた記憶がある。その頃はリクルートという会社がどんな企業かも知らなかったが、実際に社員に会ってみるとそう言われた理由がやっとわかった。
そういう意味では多くの社会人や就活仲間と触れ合って自分がどんな「○○っぽい」学生と表現されるのかを1つのヒントにしてみると良い。自分の志望する企業の社員っぽいと何人かから言われれば、かなり可能性は高いだろうし、もし志望以外の業界や企業を言われたらそれも1つの可能性に気付くチャンスとして目を向けてほしい。
大学生活を振り返った時「密度の濃い経験」があるかどうか
3つ目は「大学時代の経験」で測る方法だ。どの業界や企業を受けようとも、エントリーシートや面接では大学生活での経験、そこから学んだこと、培った力などを通じて評価される。そういう意味ではどんな大学出身者であれ、○○っぽいと言われていようとなかろうと、大学生活4年間でみっちりその企業で活躍できるポテンシャルを磨き上げていれば問題なく内定を獲得できる。
ではどんな経験であればより評価されるのだろうか?正直これには正解がないのだが、ガイドは1つ「経験の密度の濃さ」という基準を持っている。「経験の密度」とは自分がその活動に注力した「エネルギー量」と捉えることもできるし「負荷の大きさ」と捉えることもできる。要はその経験に対してどれだけ「頑張ったか」「大変だったか」と考えてもいい。
エネルギー量が多ければ多いほど、また負荷が高ければ高いほど、自分なりに工夫したり努力する必要性があり、その分得られるものがあるから成長もしているし、濃い内容を語ることができる。よく学生は「関東大会で優勝!」とか成果を出した経験を探そうとするが、「成果が出ても密度の薄い経験」よりも、「失敗しても密度の濃い経験」の方が評価につながる可能性が高いだろう。
ではもし経験を振り返った際に「密度が薄いな」と感じたらどうすればよいのか?ガイドが毎年学生にオススメするのは「進行形のエピソード」というものだ。ぜひ過去の経験に頼ることなく就職活動中の今からでも良いので密度の濃い経験を作ってほしい。過去には現在働いているドラッグストアで青汁を前月の倍売った女子学生もいたし、生まれて初めて募金活動をやって1日で10万円集めた学生もいた。自分を鍛えることに締め切りはない。
上記のような3つの方法は1つの例ではあるが「人気企業」と言われる企業や業界にチャレンジするのであれば、ぜひ難易度把握をすることを忘れないでほしい。例えもし難易度が高いと分かっても落ち込んで諦めるのではなく、可能性を高めるため選考を受ける社数を多くして担保したり、また“保険”として他の業界や企業をしっかり受けておくことも大切だからだ。
最初は保険と思って受けていても、いつの間にかその企業の魅力を知り、気づいたら第一志望になっているケースは毎年ある。ぜひ志望企業の合格率を測りながらも、多くの企業との出会いも大切にしていこう。