女子の学力が男子をリードしている?

多くの心理学者や脳生理学者は、人の行動に対して明らかに男女差が認められると考えているそうです。よく女性は言語能力に優れ、周囲との協調性が高いと言われ、男性は視覚的空間認知能力に優れているという特徴を持つと言われています。

ミズーリ大学とグラスゴー大学の研究者らが、15歳(高校1年生)の生徒の読解力・数学知識・科学知識・問題解決を能力調査するOECDの国際学習到達度調査(PISA)のデータから、女子の学業成績はテストが実施された70%の国々において男子をリードしていると報告しています。

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女子は読解力・数学力・科学などを通じてた全般的な成績の面で70%の調査対象国において男子より優秀・・・・・?


このOECDが実施しているテストは、多くの加盟国で義務教育の終了段階である15歳の生徒を対象としたもので、2012年度では65カ国の参加があったそうです。国際的な学力評価の指標として、日本でも時おり話題になります。

学校のカリキュラムをどの程度習得しているかを評価するものではなく、「知識や経験をもとに、自らの将来の生活に関する課題を積極的に考え、知識や技能を活用する能力があるか」をみるもので、「学校の教科で扱われる知識の習得を超えた部分まで評価しようとする」ものです。

たとえば、2012年の例題は、以下の国立教育政策研究所のサイトに載っていますので、一度見て頂くとどの様なテストか良く分かります

■関連リンク
OECD 生徒の学習到達度調査 ~PISA調査問題例~(PDF)


今回の研究では、2000~2010年に収集された結果を検討した結果、女子は読解力・数学力・科学など全般的な成績の面で、70%の調査対象国において男子より優秀だったとのこと。

平均では約10ポイントほど女子の成績が優秀で、スウェーデン18ポイント、ノルウェー15ポイント、ギリシャ13ポイント、日本13ポイント、イタリア12ポイント、フランス6ポイントなどの差が見られます。男子が女子よりもよい成績であったのはコロンビア、コスタリカ、インド北部地方においてのみでした。またイギリスとアメリカは、女子と男子の成績がほぼ同等でした。

詳細の結果は研究誌インテリジェンスのオープンアクセス対象、下から三つ目の論文「学力の性の違いは、政治的、経済的、あるいは社会的平等に関連していない」PDFの11P、Fig. 6(図6)を見てください。

■関連リンク
ScienceDirect(英語)

「男子の教育による成果が女子に比べて低い」ということが導き出せるとすると、国際的な教育における学業成績格差を是正するためには、なぜこういった学業成績のジェンダーギャップが生じるのか、ということについて解明していかなくてはならないと研究者は指摘しています。

また、教育的平等性の点から、教育政策立案者は政治経済社会的な平等性“以外”の要因について真剣に考えていく必要があるとも指摘しています。

さて、みなさんはこの結果をどう理解されますか。

テストサンプルを見ていただいて、女性脳・男性脳の違いなどを思い巡らしながらディベートしてもおもしろいかもしれませんね。


■参考資料
「学力の性の違いは、政治的、経済的、あるいは社会的平等に関連していない」
Intelligence 48 (2015) 137–151

国立教育政策研究所
OECD生徒の学習到達度調査(PISA)
http://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/index.html#PISA2012
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