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人工知能はヒット曲が予測できるのか?(2ページ目)

NHKスペシャル『NEXT WORLD』でも紹介されていたヒット曲予測について調べてみました。対象としたのは、Music XrayとScoreAHit。人工知能がヒット曲を予測、そしてヒット曲を作ってしまう未来はやってくるのでしょうか?

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ScoreAHit

他にも同じような試みをやっている人がいるか調べてみると、イギリスに“ScoreAHit”というサービスがありました。こちらのほうが、ヒット曲予測のフォーミュラをしっかりと説明していて、好感が持てます。

ブリストル大学の研究をもとに作られたフォーミュラは以下となります。

1961年以降のイギリスのトップ40のシングルチャートをデータベースとし(トップ5と30位に行かなかった曲を目安にしている)、楽曲の23の要素(エネルギー、テンポ、ダンンサビリティ、ラウドネス、ハーモニーのシンプルさ、ノイジーさ等)とチャートでのヒット実績との相関をコンピューターに分析させて、以下のような方程式(w=weights f=features)を作り出します。

Score = (w1 x f1) + (w2 x f2) +… (w23 x f23)

アーティストの人気、マーケティング力、歌詞などの要素は入っておらず、純粋なサウンドの分析にとどまっているのは、大きな制約と言えるでしょう。

一方で、時間や外的要因で音楽の趣向は進化するということが考慮されており、時代によってウケる要素が変化することにも着目しています。人工知能に過去のトレンドを忘れて、新しいものに適応するモデルも組み込まれているとの事です。

1980年あたりはもっともヒット曲予測が難しく、ポップミュージックのクリエイティヴ時代と位置付けています。ちょうど、ニューウェイヴ全盛期の頃なので、感覚的には納得してしまいます。

「予測されたヒット曲」「予測できなかったヒット曲」「隠された宝石(ヒットすべき特性があったがそれほどヒットしなかった曲)」と項目別に検証しています。判定基準がわかりませんが、総合的には現在までの予測的中率60%とあります。


Daft Punkでやってみた

ScoreAHitが面白いのは、サインアップをすれば、アプリを使ってヒット曲予測(又は検証)が自分でもできる点。

そこで試しに、2013年にUKシングルチャート1位になったDaft Punkの「Get Lucky」を入れてみました。すると、スコアは6点(なぜか満点は11)。

2000年に2位になった同じくDaft Punkの「One More Time」は2点と、ヒットしそうにありません。2005年の「Technologic」はあまりシングルヒットしなかった(40位)のに7点と、意外と健闘しました。

サンプル数が少ないので結論じみたことを言うつもりはありませんが、Daft Punkとかは死角に入るタイプなのかもしれません(ちなみに続編で書きますが、10点をスコアした楽曲もあります)。

また、自分の曲があれば、そのmp3のURLを貼れば、同様の予測をしてくれますので、アーティストの方はぜひ試してほしいです(あくまでもイギリスでの予想)。

ScoreAHit
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