薬剤師国家試験直前は、1日の半分が勉強時間
久保田:やはりこの時期(国家試験前)に受験生が気になるのが、何をどれぐらい、どこまでやるかなど直前の勉強法だと思うのですが、お二人は国家試験直前、どのように過ごされていましたか?Oさん(大学病院勤務・20代前半・女性)東邦大学薬学部を卒業後、地元の大学病院薬剤部に入職。第99回薬剤師国家試験では250点/345点(自己採点)
Kさん(薬局勤務・20代前半・男性)城西大学薬学部を卒業後、地元を離れ茨城県にあるハーブなど独自の取組みをする薬局に勤務。第99回薬剤師国家試験では266点/345点(自己採点)
予備校の授業をうまく利用する
久保田:やはり直前期は1日の半分を勉強に充てていたのですね。お二人とも予備校講師の授業を受けていたということですが、具体的にどのような勉強をされていたか教えてください。Oさん:国試直前の1月中旬と2月下旬は、大学で予備校講師による授業を夕方まで受けて、その後にそれらの復習をやるといった感じでしたね。予備校の授業のペースに合わせた勉強をしていました。もちろんすべての教科をやりますが、特に生物、薬理、衛生、法規などの暗記の比重が大きいところに力を入れました。予備校の授業は1日で5コマあって、それぞれ、配布された問題を繰り返し解き、即答できるまで何度もやりました。
通学の時間も利用し、記憶を確かなものにする
私は衛生が苦手でしたので、授業の合間を縫ってひたすら参考書で衛生を勉強していました。参考書の巻末問題や、大学の国家試験対策授業でもらった問題を解いたりと、とりあえず参考書にのっている情報は完璧にするように心がけました。私は問題を解いたところを2回は見返さないと記憶に定着しなかったので、翌日の通学中や授業前に1度見返し、来週の同じ曜日の朝にもう1度見返すように決めて勉強していました。
久保田:なるほど、お二人とも大学で行われる予備校の授業をうまく自分のペースに取り入れていったのですね。受けて良かったと思いますか?
Oさん:成績が上位の人は受けていない人もいましたが、私は受けてよかったと思います。薬学部が6年制になって3回目の試験なので、国家試験の問題も3年で網羅されているということだったので、再出題を見越して過去問を繰り返したり、今年はここが狙われやすいとかいわゆる試験のヤマを知ることが出来てありがたかったです。しかも、結構ヤマが当たりましたし、お勧めです。
Kさん:私の大学でも予備校の講師の授業は受けるという人がほとんどでした。私は授業で配布されるプリントに先に目を通して、苦手なところだけを聞くという感じでした。あと、「ここが狙われる!」と言っているところだけ急にメモをとったりして(笑)、うまく取捨選択していました。
先輩が教える「暗記のコツ」
久保田:お二人とも直前期は暗記系、つまり覚えていれば点数に結びつくという分野を集中してやられていたのですね。何か覚え方のコツとかはありますか?Oさん:私は映像で覚えましたね。「映像で」というのは、どのテキストのどこに書いてあったことかまで浮かぶように何度も繰り返したということです。あとはゴロ合わせとか。
覚えられないものは、何度も繰返し見る。スマホで撮ればいつでもチェックできる
それと、なかなか点にならなかった法規ですが、コツは図で覚えることだと気付いてからは点数が伸びました。これは文章や表では覚えづらいところを、大学に来る予備校の講師に教わった図で覚えるというやり方です。具体的には、毒物・劇物のマークを実際に色付きボールペンで書いて覚えたり、製造販売業・医薬品販売業の許可はどこが出すのか、など建物のイラストを描いて、製造販売業までは厚生労働大臣、医薬品販売業からは都道府県知事といったように、線で区切って覚える方法です。
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