直前のお勧め体調管理法
久保田:国家試験前は体調を崩す人も多いと聞きます。お二人は試験前の体調を維持するために何か心掛けていたことはありますか?Oさん:私は1月初旬に卒業試験があったのですが、気が抜けてしまったからかその後に風邪をひいてしまって、2月初旬ぐらいまで本調子ではありませんでした。規則正しい生活はしていたつもりですけど、換気のよくない空気のこもった大学の研究室で勉強していましたから、そういったことも原因だったと思います。以後は特に、学習環境や体調管理には気をつけましたね。
ジョギングをはじめ、軽い運動はこの時期有用。気分転換にもなるが無理は禁物です
久保田:そうですね、試験前の緊張感漂うこの時期は、自分に合った息抜き法を見つけるというのは大切ですね。
Oさん:私の息抜きは友達と話し合うことでした。ご飯を食べながら問題を出しあったりしましたね。その際、工夫したのは国家試験のような一問一答のような形ではなくきちんと答えられるような問題を出し合いました。例えば、グラム陽性菌には何がある?(※)、というようなあやふやでは答えられない問いです。これによってうろ覚えで知っていることと、完全に知っていることの区別ができるようになりました。
※グラム陽性菌:黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌、肺炎球菌、破傷風菌、ボツリヌス菌
Kさん:そうですね、私も友人と勉強するのはいいと思います。ただ、適性な人数があると思っていて勉強は三人でやるのをお勧めします。というのも、一人だと比較できないので自分の進捗や立ち位置がわからないし、二人だと相手次第ではだらけたり、傷の舐め合いになってしまいますからね。
久保田:試験前日はどのように過ごしていましたか?
前日の睡眠不足は試験に影響する。環境が変わると眠れない方は、宿泊にも注意が必要です
試験会場が自宅から遠かったのでホテルを取ったのですが、友人の中には環境が変わって眠れなかったという子もいたのですが、私は大丈夫でした。
Kさん:私も前々から試験前日はこれを見直す、というのをあらかじめ作っておいて、それだけ見直しました。事前に見返す予定の資料を作る際は、手書きでまとめると時間がかかるので、コピーしたり、スマホで写真をとったりと、手間をいかにかけないかを意識しました。
あと、私は環境が変わって眠れないのが怖いということはなかったのですが、自分のペースを壊したくなかったので試験会場へは実家から向かいました。寝過ごしたらどうしようって不安もありましたし。
久保田:では最後に受験生に一言お願いします!
Oさん:私は6年次の最初の模試では約50%の得点率でした。その頃は一ヶ月おきに試験や模試があったのですが暗記で対応できる部分(衛生、生物、薬理)を集中して勉強し、次の模試では50点ほど上がりました。特に薬理をおさえたことで派生して生物や疾患の知識も頭に入りやすくなりました。この時やったのは予備校の授業で使ったものをいわれたとおりに復習するというのを続けただけです。ただ、私の場合同じ暗記系の科目でも法規はなかなか点数が上がりませんでした。でも最後の最後でポンと上がったので、皆さんもあきらめないで頑張ってほしいと思います。
Kさん:自分である程度の計画を立てて、計画に従って自分を信じてまっすぐやるということが大切だと思います。他人に振り回されない。この時期、隣の芝生は青く見えるものです。例えば友達が衛生の自分の知らないところを知っていても、そこで焦って衛生の勉強をするのではなく自分の計画に従ってやること。人に振り回されないで頑張ってほしいと思います。
久保田:Oさん、Kさん、本日はありがとうございました。
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