デミオとホイールベースは同値だが、CX-3は独自性の高さを主張
さて、注目のコンパクトSUV「CX-3」は、日本では1月の東京オートサロンでデザインが披露されているから実車を見た人もいるだろう。
デミオとプラットフォームを共有している部分もあるし、ホイールベースもデミオと同値ではあるが、高張力・超高張力鋼板などの強度素材によるボディ、アクセラ用ダンパーを使うなどシャーシの強化、そしてディーゼルエンジンの静粛性向上やアクセラ用のトランスミッション(MT)を使うなど、CX-3専用にかなり作り込まれている。
商品コンセプトからしても「CX-5のコンパクト版」ではなく、「デミオのSUV版」でもなく、「クロスオーバーとは何か?」という原点から見直すことで立ち上げられた企画だという。
我々ユーザーは、カテゴライズやヒエラルキーといった視点で新型車を見るのが楽だし、そう見るのが自然だ。また、開発コンセプトはどうであっても「使いやすいか」、「カッコいいか」、「価格や燃費は?」などという点が気になるところ。
デザインは好みがあるので論じないが、最近のマツダは質感も含めて、「魂動」を掲げて、かなり頑張っているのは伝わってくるし、そう感じている人も多いのではないだろうか?
1550mm制限のある立体駐車場にも入庫できる
「使いやすいか」という点では、スマッシュヒットになったCX-5よりもボディサイズが小さく、CX-3の全長4275×全幅1765×全高1550mmは、駐車場の幅に1800mm制限がある場合でも、1550mm以下の制約がある機械式立体駐車場にも入庫できる。一方で最低地上高は160mmとSUVとしては低めで、悪路操作性よりも都市型SUVとしてのキャラを際立たせているのも特徴だ。
最小回転半径は5.3mで狭い道でもストレスなく使えるサイズに収まっている。駐車を含めた取り回しのしやすさは、間違いなく日本向きといえる。
室内の広さは、ひと回り以上大きなCX-5(全長4540×全幅1840×全高1705mm)には及ばないのは当然だが、デミオと比べても大差はない印象だ。
デミオよりも前後席ともに視界が若干高めなのと、350Lを確保する荷室容量(デミオは280L)、そしてちょうどいい高さにあるフロアやシート高による乗降性の良さがCX-3のアピールポイント。
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