国試浪人を繰り返さないために
久保田:ほとんどの薬学生が予備校の授業を受け合格していく中で、合格できずに何年も予備校に通う人もいると聞きます。1年で受かるために気をつけることはありますか?勉強の前に正しい勉強法を身につけることが、合格への近道
森:自分の勉強のやり方、スタイル、リズムはあると思います。そのやり方で内容を覚えられ、得点につながっていくのなら正しいのでしょう。ただ、塩田先生も言うとおり国試に通らない学生で目立つのは、得点に反映されない勉強の仕方や覚え方、考え方をしているということです。しかも、その方法を変えようとはしません。勉強法を突然を変えることは抵抗が大きいかもしれませんが、一度自分に合った効率的な勉強方法を講師に相談してみましょう。改善されると、合格に大きく近づくことができるでしょう。あとは、複数回行われる模擬試験に本番だと思って臨むことです。本番は緊張感や不安が入り混じり、メンタルが弱いと本領が発揮できません。何度か本番を意識して臨むことで、実際の試験のペースを掴みましょう。
久保田:最後に、落ちてしまった受験生にメッセージをお願いします。
不合格という事実は変わらないが、結果の受け止め方によって人生は変わる
森:まずは気持ちも頭も一度リセットしましょう!残念ながら落ちてしまったという事実は変えようがありません。しかし、これはみなさんの人生で必ず意味のある出来事になります。周りより出遅れたとネガティブにとるのは間違いです。この経験が必ずみなさんを成長させます。そして次こそは必ず合格するという決意を固めて、予備校に通ってみてください。さまざまな出会いがあり、生涯の友達もできるかもしれませんし、なりたい薬剤師像が変わるかも知れません。逆境と感じていることがきっとチャンスに変わっていきます。大丈夫、決意が固まった人は必ず合格します。
久保田:本日は貴重なお話をありがとうございました。国家試験に不合格だったという事実は変えられませんが、それを今後にどうつなげるかは、先生方のおっしゃるとおり気持ちの持ちようですね。落ちてしまったからこそつかめるものも必ずあります。これらの経験を糧にして、来年は必ず薬剤師としての一歩を踏み出しましょう。
(取材協力:ウインファーマ)
【関連記事】
薬剤師座談会「私たちの国家試験直前対策」
薬剤師国家試験直前の過ごし方