前回のインタビュー記事
薬剤師国家試験に落ちてしまったら…
不合格者のほとんどが予備校に通学し、翌年の合格を目指す
塩田:8~9割は予備校に通いますね。遠方で通えない場合は、オンラインの教室もありますからそれを利用する学生も多いですね。就職が決まっていて働きながら受験勉強をしなくてはならない方は、夏期講習など、単発の講習会を積極的に利用しているようです。
森:私の印象でも9割程度の学生は予備校に通っていると思います。学生のみなさんも落ちてしまったら予備校に行くべきものと考えている方は多いようです。
予備校通学はメリットも多い!
予備校通学のメリットは、学習面だけでなく生活や精神面にも及ぶ
塩田:確実に1年で受かりたいのであれば、やはり通ったほうがよいと思います。予備校は国家試験のプロなので、効率的なカリキュラムや正確な情報が手に入るのは間違いありません。しかし、なにより強制力がありますから。僕みたいなナマケモノは自宅でやるのは、まず不可能ですね(笑)。予備校には同じ目標に向かう仲間がたくさんいて励みになりますし、自分1人じゃ気づかないことがたくさんあると思います。
森:私も通うべきだと思います。現役で大学にいる間は国家試験の情報や傾向も知ることができますが、これらの情報を個人で得るのは難しいですし、根気も続かないと思います。また働きながらでは、十分な時間を勉強に割けないし体力的にも無理が出てくるので、残念ながら一般的に合格率は低いと言えます。1年間は予備校にどっぷりつかって勉強するのが、国試合格への早道だと思います。
予備校選びの大事なこと2つ
予備校で合格が決まるわけではありません。大切なのは受験生本人の本気度です
塩田:注意点としては、今はネット上にいろいろな情報が飛び交っていますが、半年ないし1年通う場所なので、それだけで判断せずに、自分の足で実際に見に行くことが大切です。そしてそこにいる講師と話をして決めるとよいと思います。また、予備校によっては、普段は講師が出張でほとんどいないということもありえますので、講師の人数は見ておいたほうがいいかと思います。ただ、最近は合格率の低下により、不合格者が多く、すぐに教室が埋まってしまうことも多いので、落ちたばかりで辛い気持ちは分かりますが、気持ちを切り替えて早めの行動をお勧めします。
森:どこの大手予備校でも国試合格のノウハウを持っており、大勢の合格者を輩出しています。そういう意味ではどこに通っても良いと思います。しかし、それぞれの予備校の雰囲気や講師との相性もあると思いますので、塩田先生の言うように自分の足で調べてみるのが良いと思います。ただ、間違ってはいけないのは予備校選びで合否が決まるわけではないということです。大切なのは、本人がどれだけ真剣に薬剤師になりたいかという本気度です。予備校が決まったら、講師や環境のせいにせず、強い想いをもって勉強して下さい。
次ページでは、入学時期から予備校活用法までを解説!