しつけのご褒美はどのタイミングであげるのがベスト?

しつけとご褒美というのはとても深い関係にありますが、みなさんは愛犬のしつけをする際、どんなタイミングでご褒美を与えているでしょう?
犬にしつけをする際、ご褒美を与えるタイミングは大切:(c)DAJ/amanaimages

犬にしつけをする際、ご褒美を与えるタイミングは大切:(c)DAJ/amanaimages


ご褒美の種類はどんなものがある?

そもそもご褒美というのは、なにもおやつだけではありません。ボールが好きなコであるなら、ボールで遊んであげることがご褒美になるでしょうし、撫でられるのが好きコであれば、撫でてあげるだけで充分ご褒美になるわけです。愛犬は、何が好きなのか、何をご褒美に使えるのかを探しておくことは、しつけをする上で1つのポイントになるでしょう。

そして、そのご褒美も1つだけではなく、2つ、3つあるのがベスト。ランクをつけておいて、普段はレベル3くらいのものを使い、「そう!そう!いいコだね!」というここぞという時にはレベル1のおやつを使うというふうに、犬のモチベーションをコントロールするのも1つの手です。

気をつけなければならないのは、本来ご褒美にしたくないものも犬にとってはご褒美になってしまう場合もあるということ。たとえば、愛犬に飛びつく癖があったとして、その度に大騒ぎをしたり、何か声をかけたり、飼い主の反応自体が犬にとってはご褒美になってしまっている場合もあるということです。それを繰り返せば、飛びつく癖を直すどころか、逆にどんどんそれがエスカレートしてしまうことになるでしょう。

愛犬に何か困った癖がある場合、自分の反応や態度がそれを強化してしまっているんじゃないか?と、これまでの生活を振り返ってみることも必要ですね。

ご褒美をあげるベストなタイミング

自分の犬にとって何がご褒美になるのか?

ベストなタイミングで褒めることでしつけも上達:(c)daj/amanaimages


さて、愛犬が好ましい行動をとった時、ご褒美を与えてそれを強化していきたいと考えるわけですが、ドッグトレーナーはみな「すぐに褒めろ」と言います。一般の飼い主であっても、「そうしたほうがいいんだろうなぁ」と体験的にはわかっていますが、なぜそうなのか?という理由を解明するような実験結果が発表されています。

脳の中には星の数ほどの神経細胞があり、その神経細胞同士の間にまるで蔓のようなものが伸びてきてピタッとはりつきます。吸盤で吸い付くような、そんなイメージでしょうか。こうして神経細胞同士がつながるわけですが、この接合した部分はシナプスと呼ばれ、グルタミン酸(興奮性伝達物質)を放出します。動物が何かを学習する際には、シナプスの接合強度が変化し、大脳基底核の主要構成要素である線条体や快楽中枢と言われる側坐核といった脳領域でのドーパミンは、シナプスの強度変化に影響を与えるということです。つまり、ドーパミンが報酬学習の鍵と考えられていたと言ってもいいわけです。

東京大学大学院医学系研究科の河西教授ら研究チームは、ラットを使用し、グルタミン酸とドーパミンを別々に側坐核に放出し、シナプス強度変化にドーパミンがどう影響するかを調べてみたところ、グルタミン酸によってシナプスが活性化した直後にドーパミン刺激があった時のみシナプスの強度が増すということがわかったそうです。

その「直後」というのは、0.3秒~2秒。これ以外の時間でドーパミン刺激を与えてもシナプス強度に大きな変化は見られなかったということですから、これをしつけとご褒美の関係に置き換えると、好ましい行動をとった0.3秒~2秒の間に褒めてあげるのがベストだとも考えることができるのではないでしょうか。これまでの「すぐに褒めろ」というのは正しいということになりますが、これからは「いち、にぃ」と数える間に褒めてあげるのがいいのかもしれませんね。


参考資料:
「ドーパミンの脳内報酬作用機構を解明」東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター構造生理学部門河西研究室/文部科学省脳科学研究戦略推進プログラム


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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。