フランス美術300年をながめて見ることができる
日本人にとってなじみ深いフランス美術といえば「印象派」でしょうか。ヤマザキマザック美術館では展示室を歩くだけで、官能的で装飾的、豪華絢爛、表現豊かな18世紀のフランスの宮廷文化であったロココの時代から、ナポレオン時代の新古典主義、ロマン主義を経て、写実主義そして印象派、19世紀末のアール・ヌーヴォーや20世紀のエコール・ド・パリ、とフランス美術300年の流れをふりかえることができます。赤い壁紙が印象的なロココ時代の作品が並ぶ展示室
5階の展示室は、当時の邸宅の雰囲気を表すために、壁紙やシャンデリアもオリジナルを追求するこだわりよう。4階の展示室は、アール・ヌーヴォーの家具やエミール・ガレなどのガラス作品を展示しています。
また、年に2~3回、300年にわたるフランス美術にちなんだ展覧会や、優美な展示室を生かした現代美術展など、多彩な展示を楽しむことができます。
会社の海外進出とともに40年以上かけて形成されたフランス美術コレクション
ヤマザキマザック美術館の母体であるヤマザキマザック株式会社は、1962年、他社に先駆けて海外に進出。現在、売り上げ世界一を誇る工作機械のトップブランドです。美術館の創立者であり、ヤマザキマザックの会長も務めた山崎照幸氏は、仕事の傍ら国内外の美術館を訪ね歩くうちに、ある日パリの画廊で1枚のボナールの絵に出会いました。それが《薔薇色のローブを着た女》。この絵はコレクションの第一号となりました。その後も山崎氏が心にひびく作品をひとつひとつ自分の目で慈しみながら集めてきた集大成が、ヤマザキマザック美術館の「フランス美術300年」コレクションです。
なかでも18世紀のロココ美術、特にヴァトーやブーシェ、そしてドラクロワやジェリコーといったオールドマスター(巨匠)の作品を20点近くまとめてみることができるのは、日本ではこのヤマザキマザック美術館だけなんです!