50代はつらいよ?!
50代の家計は様々。
仕事においては、自分の能力や今後の可能性の限界が見えてきます。企業が経営改善のために希望退職者を募る際には、対象となる年齢です。自営業の人は自分の体力や年齢などから今後の働き方について考えざるを得ないでしょう。収入源である仕事がどうなるかは家計に大きな影響を及ぼします。
そのような中で、教育費の負担がずっしりとかかってきます。結婚が遅かったり、子どもの数が多かったりで50代の間ずっと教育費を負担し続ける家庭もあります。そろそろ体力や気力の衰えも感じ…。そこに、高齢になった親の病気や介護の問題まで重なったり…。
もちろん、仕事も資産形成も順調で、充実して幸せに生きている人もたくさんいるはずです。若いときからの努力が実り、その果実が手に入るのも50代が多いのではないでしょうか。
50代の家計の特徴は、世帯ごとの差が大きいことです。
世界的に見たとき、日本はお金持ちが多い国のひとつであり、ここ数年でさらにお金持ちの数は増えているといわれています。50代が世帯主の家計では、3000万円以上の金融資産をもつ世帯が1割強(11.1%)あります。一方で、金融資産を持っていない貯蓄ゼロ世帯がなんと3割(29.5%)もあります。
(家計の金融行動に関する世論調査2014年(2人以上世帯調査)より)
そして調査に協力した50代の世帯でもっとも多いのは金融資産ゼロの世帯、次が3000万円以上の世帯ですから、両極に片寄っているということですね。
もう若くはない50代にとって、十分な貯蓄がないことは、大きな不安材料です。挽回するための時間は、それほど長くはありません。
家計の現実をしっかり見ることから
「お金のこと、自分の現実を見るのがイヤで、つい先延ばしにしてしまいます」と言う人がときどきいます。しかし自分の現実をしっかり見ないことには今後の対策は立てられません。このままでは大変なことになりそうと感じている人も、うまくいっていると思う人も、まずは自分の現実を確認しましょう。
- 毎月の収入と支出
- 年間の収入と支出
- 住宅は持ち家か賃貸か
- 借入金はあるか、あるなら残高、返済期間、金利は?
- 車を持っているなら、その維持費
- 貯蓄はいくらあるか
- どんな保険に入っているか、保険料はいくら?
今後のことについてもわかることを書き出します。
- これから払う予定の子どもの教育費
- 定年退職までの期間や退職金
- 公的年金の見込み額
手順としては、現状の把握→今後の貯蓄目標を決める→目標に合わせて予算を立てる→実行する→うまくいかない部分があれば修正する、これを繰り返すことになります。
最初から完璧を目指すと、お金よりも先にストレスが貯まってしまいます。お金は予算通りにはなかなか使えないものだからです。あせらず、3カ月から半年くらいかけて、確認や修正をしながら、自分にとって実行しやすい体制を整えていきましょう。いったんお金の流れができると、ぐっとラクになります。
また、自分の家計にとって、最低限貯めるべき金額や、実行すべきことがはっきりしてくると、人との差は気にあまり気にならなくなるものです。自分自身が満足できる目標を達成すればいいわけですから。
人と同じになるため、平均値になるための目標ではなく、自分にとって納得がいく生活のための目標であり、そこに達するのに出遅れているとしたら挽回できるよう努力するということですね。「石の上にも3年」という諺がありますが、家計も3年間よい循環が続くとかなり改善されます。
いつまで働くかにもよりますが、セカンドライフまでには10~15年程度の時間がある人が多いのではないでしょうか。ここでどう仕切り直すかの影響は大きいのです。あせらず、あきらめずに進みましょう。
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