テクノポップ/海外のテクノポップ

共産テクノ番外編:ソ連のパクリ疑惑黒歴史(2ページ目)

カヴァーだと思っていた共産テクノポップ・バンドのフォルムの曲は、実はオリジナル曲でした。ここに訂正すると共に、ソ連における現在まで判定可能となった、オリジナル偽装疑惑曲、つまりパクリ疑惑曲を紹介します。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ソ連時代の実態調査

これが発端となって、ソ連時代の実態調査に乗り出すことにしました。旧ソ連時代の事情を知るウクライナ在住のヤロスラフ・ゴドィナ(Ярослав Годына)さんが、様々な貴重な情報を提供してくれました。彼はモスクワでオーディオ系雑誌の編集長の経験もあり、ソ連崩壊時に15歳で、ソ連の音楽事情を知るにはうってつけの人です。今回の調査は、誰かを批判や糾弾する目的ではありません。実態を探り出し、できるだけ客観的にその背景を理解するのが目的です。

ソ連時代にも、正規のカヴァー曲というのは存在します。ニーナ・パンテレーエワ(Нина Пантелеева)の「Каникулы любви(恋のバカンス)」(1965年)は、ソ連歌謡のヒット曲は、ザ・ピーナッツの「恋のバカンス」(1963年)のカヴァー曲。この場合、ちゃんと作曲をした宮川泰(Миягава)とクレジットはされています。著作権料がどのように支払われたかまでは不明ですが。

同時に、クレジットが曖昧なあやしいカヴァー曲、そして今回のようなカヴァーである素振りは全くなく、あくまでもオリジナルとして発表されたものが存在しています。

カリフ・コウノトリ=ビートルズ

1968年のテレビ番組「Калиф-аист(カリフ・コウノトリ)」この曲を演奏したバンドマスターと思われるゲオルギィ・ガラニャン(Георгий Гаранян)とクレジットされています。

Калиф-аист(カリフ・コウノトリ) (YouTube)
kalif-aist

Калиф-аист


ご覧になれば、説明するまでもなく、ビートルズの「Can't Buy Me Love」です。The Beatlesはソ連でも人気があって、これはバレてしまうのが明白なのに、こんなにあからさまな事をしてしまったのか? 謎です。

The Beatles - Can’t Buy Me Love (YouTube)

 

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます