ソ連時代の実態調査
これが発端となって、ソ連時代の実態調査に乗り出すことにしました。旧ソ連時代の事情を知るウクライナ在住のヤロスラフ・ゴドィナ(Ярослав Годына)さんが、様々な貴重な情報を提供してくれました。彼はモスクワでオーディオ系雑誌の編集長の経験もあり、ソ連崩壊時に15歳で、ソ連の音楽事情を知るにはうってつけの人です。今回の調査は、誰かを批判や糾弾する目的ではありません。実態を探り出し、できるだけ客観的にその背景を理解するのが目的です。ソ連時代にも、正規のカヴァー曲というのは存在します。ニーナ・パンテレーエワ(Нина Пантелеева)の「Каникулы любви(恋のバカンス)」(1965年)は、ソ連歌謡のヒット曲は、ザ・ピーナッツの「恋のバカンス」(1963年)のカヴァー曲。この場合、ちゃんと作曲をした宮川泰(Миягава)とクレジットはされています。著作権料がどのように支払われたかまでは不明ですが。
同時に、クレジットが曖昧なあやしいカヴァー曲、そして今回のようなカヴァーである素振りは全くなく、あくまでもオリジナルとして発表されたものが存在しています。
カリフ・コウノトリ=ビートルズ
1968年のテレビ番組「Калиф-аист(カリフ・コウノトリ)」この曲を演奏したバンドマスターと思われるゲオルギィ・ガラニャン(Георгий Гаранян)とクレジットされています。Калиф-аист(カリフ・コウノトリ) (YouTube)
Калиф-аист
ご覧になれば、説明するまでもなく、ビートルズの「Can't Buy Me Love」です。The Beatlesはソ連でも人気があって、これはバレてしまうのが明白なのに、こんなにあからさまな事をしてしまったのか? 謎です。
The Beatles - Can’t Buy Me Love (YouTube)