子供が謝らない理由……そもそも、子供が謝る必要がある場面とは?
謝らない子どもの行動の裏には、悲しさ、イライラ感、不満感などの大事な感情が隠れていることも
子供の成長のプロセスや、子供の行動の裏にあるメッセージを読み取る必要があるということを踏まえた上で、子供の気持ちに寄り添いながら、「謝る」場面での関わり方のポイントをおさえていきましょう。
<目次>
子供が「ごめんね」と謝る前に確認したい2つのこと
まずはじめに、何が起きたのかという「事実の確認」と、悪いことを理解しているかという「子供の認識」を確認しましょう。例えば子供がお友達を叩いた場面を見て、反射的に「謝りなさい! 」と言ってしまった。でも、よく話を聞いてみると、「実は先に叩いたのは相手の子」ということもよくあります。大人が見ている世界が必ずしも全てではありません。子供にとっての事実をしっかりと確認することで、あなたとお子さんが同じ「事実」の中で話を進めることができます。
事実の確認ができたら、子供が「悪いこと」を認識しているかを確認しましょう。認識していない状態で謝るということは、口先だけになりかねず、同じことを繰り返す原因にもなってしまいます。もし「悪いこと」と認識していないかった場合には、なぜ良くないかを教えた上で謝るように促しましょう。
子供が謝るまでの3ステップ
子供が積極的に謝れたら理想ですが、それが難しい場合には、いくつか段階を踏みましょう。■ステップ1:ママと一緒に謝る
子供と一緒に相手の子の所に行き、あなたが子供の気持ちを代弁した上で、あなたが謝る姿を見せましょう。もし本人が言葉に出して謝ることができなくても、あなたが代わりにお友達に伝え、一緒に謝る体験をすることは有効です。
■ステップ2:「ごめんね」だけ言ってみよう!
あなたが気持ちを代弁し、「ごめんね」だけは子供と一緒に言うよう促してみましょう。この時に、「謝ると気持ちがスッキリするね」「謝ると許してもらえるんだよ」と、謝ることの意味を語りかけることが大切です。あなたの声がこれから先一人で謝る場面で、子供の心を支えます。
■ステップ3:ママから卒業!一人で謝る
上の2ステップを踏んだ上で、最終的には自分で気持ちを言葉で表現し、謝れるようになっていきます。ここになるまでには、善悪の判断、自分の気持ちがわかること、それを言葉で表現する力、自分の否を認めること、そして相手に伝える勇気等、様々な力が必要です。これらの力が育まれた上で、一人で謝れるようになると心得ましょう。
分かっているけれど子供が謝らない! 一番の難関を乗り越えよう
謝るための初めてのステップはママと一緒に! その体験が子供の心を支えます
実は「わかっているけれど謝れない」には2パターンあります。
1つ目は気まずくて謝れないというもの。子供は子供なりに、失敗してしまったことに対してショックを受けています。そして2つ目は、子供の中に納得できない気持ちがある場合です。先に叩かれた、おもちゃをとられた等、少なからず自分も嫌な思いをした場面では、自分が先に謝るというのが難しいこともあります。
関わり方はいずれのパターンも同じです。まずは子供の気持ちに充分共感し、受け取ることが最優先。子供は気持ちを受け止めてもらえないことには、先に進めません。あなたが「残念な気持ち」「納得出来ない気持ち」を受け取ることで子供の心が緩み、頑張って謝ろうという気持ちが生まれます。その上で改めて謝ることを確認しても遅くはありません。子供とストレスな押し問答をするよりも、ずっと省エネで早い解決につながります。
子供が謝るまでに必要な時間
子供の月齢によっては、頑なに謝らないということもあるかもしれません。納得して謝るために、自分の気持ちと折り合っている状態とも言えます。こんな時は心の整理をする時間を尊重してあげましょう。この時一足先にママから相手の子に謝っておくと安心です。気にしていないように見えても、子供は心の中では気にしています。よく観察をしながら見守り、謝るチャンスを捉えましょう。子供同士なので謝るプロセスを飛ばして、また仲良く遊び始めるということもあるかもしれませんが、一言声をかけ儀式としてでも良いので謝らせてあげるほうがお互いにスッキリします。子供の気持ちの整理の時間を尊重する姿勢を見せた上で、「ないことにする」わけではないというスタンスをママが保つようにしましょう。子供が謝らない・謝れない場面でたった1つのタブー
子供との関わりの中でたった1つタブーがあります。それは、謝らない時に叩くこと。「悪いことをする=叩かれる」がインプットされると、「叩かれるのが嫌=否を認めない=謝れない」ということになりかねません。そうすることでますます謝れない子になり、悪循環から抜けられなくなります。子供が謝るのは誰のため?
謝るのは相手のためだけではありません。失敗したという嫌な気持ちにピリオドを打つという意味で、謝るのは自分の為でもあります。そのためにも謝る場面を学ぶこと、しっかり子どもが納得した状態で「ごめんね」が言えるように育ててあげることがとても大切になってきます。そんな大事な時期の今、ママがどう寄り添うか、しっかり抑えておきたいものですね。【関連記事】