聴心器
ガイド:北村早樹子としてのデビューは、2006年の『聴心器』。今回、「歯車に絡まった男の話」「春の熱」の2曲が選曲されました。この2曲を選ばれた理由は?
聴心器 (amazon.co.jp)
北村:
「歯車に絡まった男の話」は、リリース当時の代表曲のような、定番曲な感じだったので。「春の熱」はお気に入りの曲だからです。どっちも、波多野さんの弦がすんばらしいので!
おもかげ
ガイド:翌年、2007年に発売された2ndアルバム『おもかげ』からは、4曲。「貝のみた夢」を聴いてみると、暗喩ながらも、赤裸々なものを感じます。この歌にこめた思いとかあれば、教えて下さい。
おもかげ (amazon.co.jp)
北村:
オブラートに包みセロファンに包み銀紙に包み、なんのことかあんまりわからんように書いてますがこれはのっぴきならない状況で禁断の恋に落ちてしまった歌ですね。
ガイド:
次作の発売が2011年ですから、それ以降そこそこの間隔が空いていますね。空いてしまった理由は?
北村:
この間の期間にわたしが上京して、あとそれまでリリースしてもらっていたチューバディスクが業務終了してしまったり、色々あったのです。
明るみ
ガイド:パラダイス・ガラージの豊田道倫さんをプロデューサーに迎えて、3rdアルバム『明るみ』を制作。フォークの文脈で語られつつも、その枠にはハマらない方ですね。豊田さんとはどのように出会ったのですか?
明るみ (amazon.co.jp)
北村:
もともと豊田さんの曲は聴いていて好きだったのですが、偶然対バンさせていただいて出会って、それから当時住んでいた家が近かったり、たまたま実家も近いことが発覚したりで、時々お茶して相談乗っていただいたりしているうちにプロデュースしてもらうことになりました。
ガイド:
『明るみ』からの2曲は新録音となっていますが、これはどういう理由で?
北村:
「わたしの一角獣」とゆう曲は、これライヴでは後半ピアノがおもっきり暴れるんですが、『明るみ』バージョンではそこの部分がないので、暴れたバージョンを録音したくて。「解放」は『明るみ』の中ではその前に収録してる「千の針山」ってゆう曲の後奏からピアノが続いてるので、1曲だけ抜くと違和感あったので。あとこれは大人の事情なんですが、新曲1曲録るのにレコーディング会場押さえてエンジニアさん押さえてってするんなら、どうせなら何曲か新録しちゃおう的なH澤さんの案もあって。
ガイド:
「解放」の歌詞は、倫理、啓蒙、革命など、社会運動的な言葉が使われています。多くの早樹子さんの歌詞からは、安易な世間の常識や正論みたいなものに対する疑問や批判を感じますが、それは昔からなのでしょうか?
北村:
それがすべてとゆうわけではないですが、なにかしらに対しての疑問や批判、みたいなものが歌う原動力のひとつだったりします。あと連合赤軍とか全共闘革命とかあの辺の事件にのめりこんでいた時期があったので、「解放」は坂口弘さんてゆう実在の人物に向けて勝手につくった歌です。
ガイド:
坂口さんは、あさま山荘に立てこもった元連合赤軍の人ですよね。70年代初頭なので、原体験がない事件だったと思いますが、どういうきっかけで興味を持ったのでしょうか?
北村:
最初はベタに映画から入りました。