21世紀の慶應義塾大学は少数精鋭を目指す
規模で見ると、慶應義塾大は学生数32191人で教員数1402人。教員1人当たりの生徒数は約23人。30名~40名という私立大学が多い中では、かなり充実している。常に比較対象になる早稲田大は学生数54083人で教員数1474人、教員1人当たりの生徒数で約37人となっている。慶應義塾大学は拡大路線をとっている早稲田大とは違う方向性を模索しているようだ。
教育改革の度合いを図る一つの指標として、文部科学省が行っている「特色のある大学教育支援プログラム」がある。慶應義塾大学は2003~2007年度で計6件(共同プロジェクト1件を含む)の取り組みが採択されている。全国の大学で唯一5年連続採択されている状況を見れば、その優秀さがわかるだろう。
掲げる理念、6つの「先導」
1858年(安政5年)に開学し、2008年創立150周年を迎えた慶應義塾大の掲げる理念は「先導」(新しい分野を切り開き、日本及び世界を牽引して行くこと)と呼ばれている。これを発展させたものが「21世紀のグランドデザイン」だ。創設者・福沢諭吉の「全社会の先導者たらん」の教えを発展させ、6つの点での「先導」を提唱したものだ。つまり「教育先導」「学術先導」「新実業先導」「知識・スキル先導」「知的社会基盤先導」「キャンパス環境先導」である。以前から進めてきた大学改革をさらに推し進め、研究分野で日本を牽引し新しい実業の世界を切り開くという。政財界に広く人脈がある大学らしい現実的な視点だ。素晴らしい伝統があると、そこからなかなか新しい風は吹かないものだ。しかし、慶應義塾大学にそのような杞憂は必要ない。慶應義塾大学は伝統を生かしながらも、21世紀も日本の教育界を牽引していくだろう。
慶應義塾大学の入試英語
英語は各学部毎に形式が違うので注意が必要だ。例えば、文学部では辞書持ち込みを可としているが、もちろん分量的にも辞書を使う余裕は数回ぐらいしかないだろう。どの学部でもそうだが、かなりの語彙力と英語力が必要とされているのがわかる。受験問題をこなすだけではなく、幅広い教養も身につけておこう。英字新聞を毎日読んだりして、時事的なテーマにも親しむことが必要だ。各段落の要約練習も効果的だろう。単語レベルが高いので、早いうちに単語を完璧にして、読解練習の中でさらに語彙力を高めるようにしたい。