6学部4つのキャンパスからなる総合大学

香川大学は香川県高松市に本部を置く国立大学です。開学は1949年、医学部看護学科が開設されたのは1996年になります。学部は6つあり、高松市周辺の4つのキャンパスに分かれています。

医学部のキャンパスは高松市のお隣、三木町にあり、ことでん高松築港駅から約30分の高田駅下車、さらにバスに乗って10分弱という立地です(高松駅からバスに乗ると約50分)。

看護学科の定員は70人(うち10人が編入生)、そのうち保健師コースに進むことができるのが原則20人。選考時期は2年時の3月で、基準となるのはそれまでの成績と小論文、面接の3本立てになっています。

保健師として活躍するためのカリキュラム

保健師教育は、できるだけカリキュラムの読み替えをせず、講義と演習そして実習を一貫させて行っているのが特長です。修得した知識を実践し我が物とする。つまり、保健師としてより実践的な活動をするための専門教育を行っているということです。

その意義について、保健師教育担当の大西美智恵教授は

「保健師としての自らのビジョンやマインドをしっかり持って就職して欲しいからです」

と話しています。

ここでいう単位の読み替えというのは、保健師課程の専門科目を、看護師課程の似たような内容の科目に置き換えて取得したことにすることを指します。ちょっと表現が難しいのですが、わかりやすく大まかに説明すると、本来はリンゴの勉強をすべきなのに、リンゴを含む果物全体の勉強をしたことでOKとしてしまうこと、そう考えてもらえればいいでしょう。これは最近まで行われてきた統合教育の弊害ともいわれ、学生全員に保健師教育をしたことにする近道のような形で、二重、三重に読み替えてきた実態も、日本看護協会などが数年前から指摘していました。

学科の男女比は1:9くらい。出身地を見ると、意外にも6割が県外、とくに兵庫、大阪方面からの学生が多いといいます。かつて本州から四国に来るには瀬戸内海を船で渡るしかなかったのが、今では列車や自動車で気軽に往復できることが影響しているようです。

学生のモチベーションが高い

香川大学で保健師を目指す学生像はどのような人たちなのか?

「保健師の選抜試験に合格した学生たちは、とてもモチベーションが高いですよ。なかには最終目標を助産師としながら、自分たちが助産して子どもが生まれた
大西教授(左)と講座の学生さんたち

大西教授(左)と講座の学生さんたち

後、どのように地域で関わっていくのかを学んでおきたいと入ってくる学生もいます」

と、大西教授。

同様に看護師として働くつもりだけど、地域の看護力をちゃんと知っておくために学びたいと話す学生もいるようです。

また、香川大学は総合大学なので、他学部学生との交流がしやすく、視野もより広がりやすいこともメリットです。看護学科は看護師、養護教諭+看護師、保健師+看護師を目指す3つのコースに分かれ、それぞれに、より専門的な教育を受けられるよう配慮されているのも注目ポイントです。

離島をフィールドにした講義もあります

保健師教育のなかで注目したいのは、今後、附属病院(香川大学医学部附属病院)を併設している利点を生かし、附属病院に通院をしている、例えば出産を控えたお母さんや高齢者の方々に対し、1年近い時間をかけての継続的な訪問を行う実習を予定していることです。

さらに、同大学では離島保健・看護論という講義があり、2015年度からは瀬戸内海の離島をフィールドに、そこに住む高齢者の方々への継続訪問や介護予防、離島医療などにも積極的に踏み込んでいきたいとのお話もありました。

ちなみに、香川県は瀬戸内海に有人の離島がたくさんあり、全国で6番目の多さとか。そこをフィールドにする意義を大西教授は

「小さな島は数日もあれば文化や地域性などが把握しやすく、地域診断の絶好の教材になります。生活の実態を見て聞いて、高齢化の問題などを肌で感じながら、今後の保健活動に生かしてほしい」

と語っていました。

香川県の場合、沖縄や鹿児島などと違い、比較的離島が近い距離にあるので実習のフィールドとして通いやすく、その利点を生かした実習は、とても魅力のあるものだと筆者も思います。

教員からのメッセージ

最後に、これから保健師を目指そうという人へのメッセージもご紹介します。

「保健師は何をする人なのかわかりにくいといわれますが、これからの保健師になる方々には、自分の中にしっかりしたビジョンを持ってもらいたいと思っています。つまり『私は住民と一緒に○○をします、私のウリは○○です!』といったことを自分の言葉で語れるようになること。パソコンの前に座って仕事するのも大切な仕事ではありますが、行政マンとしての自分、保健師としての自分をしっかり持ってください。国から降りてきた仕事をただこなすだけじゃない、プロフェッショナルとして働けるようになってください。多くの素晴らしい先輩たちがそうであるように、本当のプロフェッショナルな保健師は、とても優しく謙虚です。そこをしっかり見習ってほしいと思っています」

ひとつひとつの言葉に力を入れながら話す大西教授でした。

(大学データ)
香川大学医学部看護学科地域看護学:大西美智恵教授/越田美穂子准教授
定員:70人
保健師コース定員:約20人
保健師コース最終選考時期:3年進級前

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