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シェアハウスの進化系、シェア型複合施設が登場

シェアハウスが注目されるようなり、順調に戸数を伸ばしています。最近では、シェアするのは住まいだけでなく、オフィス空間やイベント空間にまで広がっています。様々にシェアできるシェア型複合施設「the c」を見学しました。

山本 久美子

執筆者:山本 久美子

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シェア型複合施設が提案された理由とは?

シェアマーケットが拡大しています。シェアハウスやカーシェアは以前から注目されていましたが、最近では、古民家や式場、映画館などをイベントの会場として貸し出したり、駐車スペースを空いている時間だけ貸し出したりといった、スペースを共有するビジネスも登場しています。

千代田区内神田のオフィスをリノベーションした「the c」は、中心はシェアアパートメントですが、ビジネスの中心地にあるという立地特性から、シェアオフィスとシェアスペースを備えたシェア型複合施設になっています。ではなぜ、住まいだけでなく、オフィスやイベントスペースもシェアできる複合施設にしたのでしょうか?

企画・運営管理等を行う(株)リビタによると、これまで多くのシェア型賃貸住宅やクリエイティブ施設を手掛けてきた中で、新しいニーズに気づいたといいます。たとえば、若いビジネスマンが勤務先の仕事のほかに、社会活動やサブビジネスをしている事例が増えているそうですが、シェアオフィスがあれば、自宅に戻ってから、あるいは勤務先からの帰り道に利用して、その業務に集中することができるでしょう。シェアスペースでイベントが開催されれば、入居者も興味があれば気軽に参加できるでしょう。入居者自ら地域参加型のイベントやスクールを開催してもよいでしょう。

シェア入居者同士だけでなく、外部の人たちともつながることで様々な化学反応が起こる「体験価値」が生まれることから、築53年のオフィスビルの再活用を検討した際に、シェア型複合施設を提案したということです。
では、具体的にどういった物件なのか見ていくことにしましょう。
エントランス写真

the c エントランス。シェアアパートメントやシェアオフィス利用者は右側の入り口から入る。シェアスペースへは直接左側の階段から入ることが可能。


シェアアパートメント、シェアオフィス、シェアスペースの複合施設

シェア型複合施設「the c」は、3階~9階が「Share Apartment」、2階が「Share Office」、地下1階が「C lounge」で構成されています。

「Share Apartment」は3階~8階に54室の居室、9階に共有のキッチンやシアタールーム、ライブラリー等を備えたコミュニティラウンジ(屋上のルーフテラスも利用可能)で構成されます。居室には、ベッド、机、冷蔵庫、収納、エアコン、照明、有線LANは付帯されていて、賃料は月額9万6000円~11万8000円で、水道光熱費とインターネット料金を含む共益費は月額1万5000円(二人入居可能居室の場合は2万円で、二人入居をする場合は3万円)などとなっています。トイレ、シャワールーム、バスルーム、ランドリールームは共用のものがあります。

居室の写真

耐震補強の鉄骨ブレースが入りこむ居室もある。

オフィスからシェア型賃貸住宅に用途変更するためには、建築基準法や東京都安全条例に準じる必要があり、インナーバルコニーを設けるなどの工夫がされています。また、築53年のビルは、2012年に耐震補強工事を終えていますが、窓際に耐震ブレースといわれる斜めの鉄骨が補強材として入っているため、居室の快適性を損なわないような配慮がされています。

個室の写真

個室のモデルルーム。自転車を壁に掛けられるフックも全室常設。最多個室面積は14.68平米。

二人居室の写真

二人入居可能居室は6室。26.31平米と広めになっていて、ミニキッチンやトイレ、シャワー付き。

共用キッチンの写真

9階のコミュニティラウンジの共用キッチン。奥がライブラリー。

共用のラウンジの写真

9階のコミュニティラウンジの手前がミーティングスペース、奥がラウンジ、その左側はダイニング。


>>次ページからは、シェアオフィス、シェアスペースについて見ていきましょう。
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