建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

シニアライフのための都心の別荘[百人町の家]

都心にありながら、周りを小公園に囲まれるという恵まれた敷地に完成した住宅。老夫婦の東京生活の拠点となるこの住まいには、他にはないプラスαが仕掛けられていました。

執筆者:川畑 博哉

今から3年前、建築家の渡辺康さんは都市計画をしている夫と某大学の建築研究者の妻のご夫婦から、都心に別荘の設計を依頼されました。普段は郊外の自宅で過ごす夫婦ですが、ここは仕事場が近いため平日の忙しい時に使い、将来の定年後には友人が来易い場所に住むことも視野に入れた計画でした。



ポケットパークに囲まれた希有な敷地


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外観
上/西側の外観。白い外壁は左官木コテ仕上げ。ガレージの脇に玄関がある。写真:渡辺康建築研究所(以下Wで表記) 中/南側の小公園からの眺め。大きな壁面の菱形の模様は、階段室の採光用のピンホール。 下/東側の小公園からの眺め。手前は地域の防災用具の倉庫。


この家の建つ百人町は、新大久保と高田馬場の間の西側に位置しています。1990年に新宿区による都市防災不燃化促進事業で狭い路地が解消され、新たに街路やポケットパークが整備されました。そのお陰で、この家は4方どの向きにも隣家が接しないという希有な敷地に建っています。白い壁と木の窓枠のせいで、思わず木造と勘違いしてしまいそうですが、この家はれっきとしたコンクリート住宅なのです。

◆建築家プロフィールと建築データ


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