大京初！中野区の社員寮を高齢者向け住宅に新提案

社員寮がサービス付き高齢者向け住宅に
６ヶ月かけて、コンバージョン（改修）を実施　ターゲットは80歳の女性

総務省統計局発表のデータによれば、平成26年12月1日の75歳以上の人口は1599万人。全人口に占める割合は、12.6％に上ります。前年同月の75歳以上人口は、1565万人。1年間で34万人も増えたことになります。今後、高齢者の単身世帯の増加など高齢化の住まいのあり方も日本が抱える大きな課題の一つと言えるでしょう。
そうした中「高齢者住まい法」の改正により創設されたのがサービス付き高齢者向け住宅です。介護・医療と連携して高齢者が安心できる住まいづくりを推進する為に設けられた住宅制度で、居室の広さや設備、バリアフリーといったハード面と安否確認や生活相談といったサービス面が制度の要件になっています。
マンションディベロッパーの大手でもある大京は、同社第一弾となるサービス付き高齢者向け住宅「かがやきの季・中野南台」をこのたび発表しました。1991年12月に建てられた同施設は、かつてはワンルームタイプの同社の社員寮として利用されていたものです。共同所有者と検討した結果、丸ノ内線「方南町」徒歩5分の利便性の高さや街の歴史があり高齢者の多い点で、サービス付き高齢者向け住宅のニーズが高いと判断し、プロジェクトをスタートしました。
プロジェクトにあたって、ハード面では大規模なコンバージョン（改修）を施しています。廊下幅の確保やフルフラットにするバリアフリー化。共用廊下に手摺りを設けています。
また、各居室19平米台のユニットは、浴室を外し広いトイレと洗面室に。車椅子対応も含めた共用の浴槽を4つ設置しています。
また、共用の食堂を設置。隣接する厨房では、提携企業が提供する食事サービスを希望に応じて受けることが可能です。企画担当者の話によると、メインターゲットは、80歳代の単身女性とのこと。健常者であっても万が一に備えて安心して暮らしたいニーズに応えたいとのこと。都会で一人暮らしに不安を持つ人は多いはず。そうした声に届くのかがポイントでしょう。

安心をサポートするソフト面が魅力
TV電話による対話サービスも導入

提携企業であるウイズネットが併設する訪問介護事業所を運営。安否確認や緊急時対応、食事サービスなどを提供します。安否確認では、直接安否の確認を行うとともに、人感センサーによる確認も行われます。具合が悪くなった場合の緊急対応も24時間行われます。
また、TV電話による対話サービスも導入。提携企業によるカウンセラーが定期的にTV電話を通じて対話をします。さらに、必要な介護サービスや訪問診療サービスなども対応（有償）が可能。高齢の一人暮らしには、こうしたサポートが重要かもしれません。
同プロジェクトは、1月17日より募集をスタートしますが、既に看板等で50件の反響を得ているそうです。家賃と共益費、基本サービス料を合わせた金額が月額215,000円（203号室の場合）。食事サービス料が別途54,000円（月額　税込）と決して安価なわけではありませんが、初期費用が高額な施設もある有料老人ホームに比べ、建物賃貸借契約であり入居一時金がかからない点は、都市部では魅力だと思います。個室がありプライバシーが守れるのもメリットでしょう。

大京では、今後同シリーズを10年間で60棟展開することを目指しており、既に第2弾のプロジェクトを高松市で計画しています。かつて、社員寮だったワンルームが高齢者向けの住宅になるのも時代の流れだと思います。大京では、中野区周辺で約40棟のマンション供給実績があり「今の住まいを賃貸に出して入居する人もいる可能性もある」との意見もあります。高齢者が、かつてないほどのボリュームになる中、様々なニーズがあるのも事実。高齢者向けの住まいの提案に今後も注目していきたいと思います。