3位:アーノンクール(指揮) モーツァルト:後期三大交響曲

枯れないアーノンクールによる、刺激的なモーツァルト
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:続いては、同じ曲をこちらも古楽の巨匠アーノンクールが振ったものでした!

:いいですよね~、マニアックなゴリゴリな感じが(笑)。表現はブリュッヘンと全然違いますけど、これもある程度この人の結論なんだろうなっていう演奏でしたね。

:また別な境地(笑)。

:対比して聴くとすごくおもしろいですよね。同じ古楽のオーケストラとは思えない(笑)。ぜひ両方聴いてみてほしいですね。

:ほんとですよね。で、こちらは、なんでも、この3曲は依頼もないのに6週間でばっと書き上げられ、主題・動機にもつながりがあり、3曲続けての「器楽のオラトリオ」だっていう説に基づいていて、39番は冒頭のアダージョから速く、ガツーンっと始まって、41番のフィナーレで終わる。

アクセントも激しいんですけれど、昔みたいにスフォルツァンドでガツンガツンと来るより、面でボーンボーンと来る。耳障りではなく、力強さを感じる。キレというよりはパンチのある演奏だなって感じました。あとはところどころで変わったことはしていて、39番のメヌエットのトリオのワルツがウィンナワルツっぽくなっているとか(笑)、39番と40番は次の曲に繋がるので最後が全然フィナーレっぽくないとか。特に39番はそのまま次が始まってしまう(笑)。

:解説に「すぐ始まるのはアーノンクールの意思です」って注意書きが書いてありましたね(笑)。

:聴いて、とにかくびっくりしました(笑)。

:確かにびっくりしましたね(笑)。

:ライブでもそうだったそうで、39番から、登場しないオーボエを席に座らせていたそうですよ(笑)。

:なんだろうって思いますね(笑)。

:39番の間、ずっと所在なさげにしていたそうですよ(笑)。41番の終楽章も、3曲連続の終曲ということでハデに「ジャン!」と終わるのかと思ったら「ふん」と引くんですよね(笑)。それが個人的には非常に気に入りましたね(笑)。

:(笑)。昔、このウィーン・コンツェントゥス・ムジクスではなく、コンセルトヘボウと録音したものもすごかったですけれど、より際立っているというか。相変わらずだなというところではあるのですが、ところどころで解釈が違っていたり、ゆっくりになっていたり、速くなっていたり、それはそれで面白い。これも対比して聴くと面白いかなと。

:ブリュッヘンは到達点、アーノンクールも到達点なんですけれど、アーノンクールは数年後にまた新たなものを出しそうな気もします(笑)。

:違う演奏をしてくるんじゃないですかね(笑)、対応できる人だから。アーノンクールはもう日本に来ないでしょうけれど、まだまだがんばってほしいですね。

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2位:ロト(指揮) ストラヴィンスキー:春の祭典、ペトルーシュカ

徹底した古楽演奏で時代を牽引する、ロトの現時点での最高傑作
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:さて、いよいよ2位! これも上期のランキングで高評価で、売り切れ続出した名盤。変拍子、不協和音に満ちた人気曲を当時の楽器・演奏法を再現した演奏でした。『レコード芸術』さんの年間の1位にも選ばれていましたね。

:これは皆さん同じご感想だと思いますが、これからのオリジナル楽器のオーケストラのあり方を示唆した、今年を代表する1枚と思います。表現されたカタチ、楽器のこだわりも含めて画期的でしたね。ハルサイをオリジナル楽器で、というアイデアを、これほど見事に表現したとは驚きですよね。

:変わった版、変わった楽器でやってくれた、というだけじゃなくて、本当に演奏が面白いじゃないですか、それがやっぱり良いですよね。

:ここまで徹底してやるっていうのが、一つ成功したんでしょうかね。演奏が上手すぎるくらい上手いですし。

:まだこんな鮮烈な演奏が可能だったかと衝撃を受けました。

:ぜひこのオーケストラ「レ・シエクル」を率いて来日していただきたいですね。

:珍しい楽器をたくさん持ってきてもらって(笑)。

:そう、楽器展覧会でもいいですから(笑)。ブリテンの『青少年のための管弦楽入門』でもいいですし、このオーケストラの特質を存分に発揮できるようなレパートリーを聴きたいですね。

:次は何をやるか楽しみですよね。

:余談ですけど、これ、シャッフル再生にして聴くと、どこから聴いても面白いですよ(笑)。

:新たな聴き方ですね(笑)。

:曲が変わる度に「お、お、お!」となって結構楽しい(笑)。眠い朝にオススメです(爆)。

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1位:アルゲリッチ(ピアノ)&アバド(指揮) モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、同第25番

アバドとアルゲリッチという両名手が到達した安らぎに満ちた感動的名演
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:さて栄えある年間ランキングの第1回目の1位です! これも上期のランキングに入った盤でした。

:この演奏は前も言ったかもしれませんけど、最初にこれを聴いたときの「すごく温かい」という印象がまだ強いですね。「本当にアルゲリッチ?」と思ったのが第一印象。彼女がこういう演奏をするんだと、ちょっと驚いた一枚でした。アルゲリッチとアバドがモーツァルトの協奏曲を、というと普通のグランド・スタイルをイメージするんですけれど、アルゲリッチの適応力に改めて感心しましたし、全体的にアルゲリッチらしくない、音を一つひとつ紡いでいく感じがびっくりしました。個人的にアルゲリッチに感動することってあまりないんですけれど、すごく感動しましたね。また、アバドの指揮ぶり、テンポから流れ方から、モーツァルト管弦楽団の伴奏も絶妙に支えていて見事でした。この二人でしか出せない呼吸というか間というかを随所に感じました。アバドにとっても、晩年を飾る完成度の高い一枚でしたね。

:これは本当に良かったですね。

:アバドもアルゲリッチも絶品の優しさ柔らかさ。長く聴かれるであろう演奏ですね。

:二人が初期に一緒にやったプロコフィエフの3番とか、ラヴェルあたりの、突き詰めていくようなものとはまた違って、最後はこういうカタチになるんだ、という。収められた写真ともども感慨深いですね。

:確かに。この二人は元々は、プロコとかでのジェットコースターのような爽快なイメージが強かったですね。

:今回、モーツァルトの20番と25番という選曲もよかったと思いますね。アルゲリッチは2014年に映画『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』が公開され、いろいろ注目され、人となりが出てくるようになりましたけれど、人生のまとめに入っているような発言もあったりして、芸風が昔とは違ってきているのかな、という気もしますよね。体力的なものもあるかもしれないですね。これからアルゲリッチが、どういう生き方・演奏をしていくのかな、というのも注目ですね。

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というわけで、2014年に発売されたCDの中からCD屋さんが選んだオススメ盤のランキングでした。どれも本当に見事な人生を変えてくれるような盤でした。ぜひ気になったものから聴いていただけたらと思います。ということで2015年も素晴らしい音楽・演奏を紹介していきます。今年もどうぞよろしくお願いいたします!


※実際に売れた商品が何だったのか?という観点では、トップセールについてのランキングがタワーレコードさんで紹介され、こちらも興味深いランキングになっています


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