クラシックのプロが選んだ2014年のベストCD!

座談会

座談会に出席いただいた皆様と。左よりタワーレコード・北村さん、ガイド大塚、山野楽器・峯岡さん、HMV・久保さん。

注目のCDが続々出るクラシック音楽。そこで日々新譜と接するクラシックのプロであるCD屋さんのクラシック担当の皆様にオススメ盤を選出していただこうと始めた『クラシックCDアワード』。2014年上半期の好評を受け、2014年の年間ランキングを発表です!

選者は、前回より拡大し、HMV、タワーレコード、山野楽器から計8名のクラシックの担当者。皆様に点数を付けてもらったものを集計してできたランキングを紹介します!(国内アーティスト部門5点と、ワールド部門10点の計15点)

なお、結果を受けて座談会を実施。選者を代表して、ローソンチケットでクラシック公演とCDの推薦記事も書く『HMV』の久保昭さん、名盤を復刻リリースするタワー企画も担当する『タワーレコード』本部バイヤーの北村晋さん、充実の品揃えの老舗『山野楽器』でクラシック部門を統括する峯岡隆さんという、スペシャルなお三方にお越しいただきました(社名五十音順)。

※国内盤・輸入盤、現役・故人、国籍問わず、2014年1月~11月に発売された新譜CDからセレクト


クラシックCDアワード 2014 国内アーティスト部門

まずは国内アーティストのランキングから。国内アーティストを応援したいという思いから今回初めて実施しましたが、選ばれた盤はどれも国内という枠で語るには勿体無いくらい、世界的に見ても全く遜色ない力作揃い。日本人アーティストの高いレベルの演奏をぜひ聴いてみてください。


5位:尾池亜美(ヴァイオリン) フランク&サン=サーンス:ヴァイオリン・ソナタ

圧倒的な技術の元、澄み渡るように伸び伸びと歌うヴァイオリンの新星
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ガイド大塚(以下、大):さて、最初から珍しい注目盤がランクインしました。名曲中の名曲のフランクのヴァイオリン・ソナタを中心にした録音ですが、これは、森音楽事務所という音楽事務所が製作しているCDで、本来は、コンサートの際に販売するCDなんだそうですね?

タワーレコード 北村さん(以下、北):そうなんです。聴いてみたら素晴らしかったですね。1988年生まれ、3歳からヴァイオリンを始めて、6歳からスイスに在住して、そのときに向こうの方に師事されたと。それから帰国し芸大に入り、既にその頃から注目されていたそうです。奨学生としてまたスイスに渡って、名手ピエール・アモイヤルの弟子になっていると。天性的な勘というか、弾き方、音自体も、伸び伸びとしていて良いんですよ。

HMV 久保さん(以下、久):つやつやした音で良いですね。すーっと入ってくる。

山野楽器 峯岡さん(以下、峯):たっぷりは弾いていない感じがまた良いですね。

:そうなんですよね。変に力が入っていないというか。これは埼玉県三芳町のホール「コピスみよし」で録っていて、スタジオでガチガチに録ったのとは違う、ホールトーンを活かした突き抜けるような音が魅力的です。

:ですね。とても聴かせるけれど、自然というか、押し付けがましくないというか。

:ヴィブラートも抑えるところは抑えてナチュラルな感じ。

:そうですね、流れも非常に見通しが良いですし。

:サン=サーンスを聴いても、テクニックにまだまだ余裕がありそうな感じがしますね。良い意味で、あまり一生懸命に弾いている感じではないというか。

:とても爽やかで、かつ、ヴィルトゥオジティもある。終楽章最後の弾きまくる感じは圧巻ですね。

:本人が曲の解説を書いているのも一つポイントかな、と。

:とても良かったです! 演奏上のポイントや思いが書かれていて。

:実はこの盤以外にもワーナー・ミュージックから、既に商品が出ていまして、モーツァルトのヴァイオリンとヴィオラの協奏交響曲とコンチェルトーネのCDで後者を先生のアモイヤルと一緒に弾いていました。

:これからますます楽しみ。大注目ですね!

※該当CDのwebページをランダムに記載しています(以下同)
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4位:小林沙羅(ソプラノ) 『花のしらべ』

力強く美しく咲き誇る、ソプラノ界の新たな名花
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:ウィーンを中心に活躍するソプラノによる、シューベルト「野ばら」、山田耕筰「からたちの花」 など、国内外の“花”をテーマに集められた歌曲集です。なんと自作曲も収められています。

:見た目は、ジャケット写真からも感じられる華奢な印象だったのですが、初めて聴いた時、想像する声とは違って、良い意味で声に貫禄があって、驚きました。

:リリックでもドラマティックでもないですよね。

:そうなんですよね。ジャケットを見るとリリックっぽく感じますが、全然違いますね。可憐でありながらも、歌唱が強い。また、日本語の歌詞が美しい。

:同感です。歌詞がすごくキレイでした。

:今回は歌曲集ですが、これまで結構オペラで歌ってきていたので注目していた方は多いようで、以前から「CDはないんですか?」と尋ねられたりしていました。

:CD発売後に弊社でイベントをやったんですけれど、スケジュールの関係で、いつもストアイベントをやる銀座店ではなく、渋谷にあるタカギクラヴィアさんの松涛サロンでやったんです。CDを買っていただいたお客さんにそこへ行っていただくわけで、どれくらいお客さんが来るのだろうと思っていた上に、当日は大雨。ところが、満員でしたよ。既に固いファンが付いているんだなぁと思いました。

:それは嬉しい話ですねぇ。クラシックの世界も、アイドルみたいな売り出し方って結構ありますから、その路線かな?と軽い気持ちで聴くと、正真正銘の本物とすぐに気付き、慌てて居住まいを正すことになりますね(笑)。

:確かに。聴いていただけたら分かってもらえる、本物の商品だと思いますね。新人のCDって一年の中でも発売される点数が多いですが、このファーストアルバムの出来は素晴らしいですね。

:ですね。力強い美しさに魅了される一枚でした。次は、オペラやオペレッタのCDを出していただきたいなぁ。

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