新しい音が好き
ガイド:電子音楽~テクノポップという領域で、中野さんが影響を受けたアーティストに興味があります。やはり、何か新しい音を作っている人たちが好きだったのかなぁと、勝手に想像しています。
中野:
そうですね。特に70年代終わりから80年代の新しい音作り、これまで聴いたことのなかった質感には刺激を受けました。電子音楽~テクノポップの括りになるかどうかわかりませんが、例えばフライング・リザーズ、ヤング・マーブル・ジャイアンツなどは今でもよく聴きます。少ない音の構成の中でレゲエ的なベースが効いてるものなども好きでした。多重録音をしていたということもあり、当時の機材や録音、音響技術にも関心がありましたね。
ジャジーなグルーヴ感
ガイド:今回のアルバム・タイトル『Swing』は、タイトルからしてもジャズへのオマージュはあるんでしょうか?
Swing (amazon.co.jp)
01. Ticktack
02. I Swing, You Swing
03. o'clock -introduction- [performed by Sharaku Kobayashi]
04. o'clock
05. Pilot Run #3
06. Yesは答えをいそがないで -Swing of a Pendulum- [feat.横川理彦]
07. デッドエンド羅針 [Shuffle]
08. 遠くのカーニバル
09. 虹をみた
中野:
エレクトリック・アップライトベースを使うようになってからでしょうか、ジャズっぽい傾向が徐々に強まってきました。昨年7月のワンマンのライヴではマイルス・デイヴィスの「死刑台のエレベーター」から1曲やったり。ウォーキングするベースラインや4ビートを感じさせるグルーヴが今回のアルバムでは多くなりました。ギターのボイシングなどにしてもジャズ的な響きを意識しています。
ガイド:
最近、G-Swing、Caravan Palaceとかエレクトロ・スウィングと呼ばれる踊れるジャズもありますが、オープニングの「Ticktack」~「I Swing, You Swing」は、歌詞からも「踊って」いますよね。踊ることにこだわったのは、何か触発されるものがあったのでしょうか?
中野:
振り子時計のバネ、歯車、機械式メトロノームなどといったアイテムが今回のサウンドのキーになりました。前作は金属音の重たいビートが中心だったので今回は、アコースティックな機械の乾いた軽い響きを取り入れました。それらが刻む自然と体が動き出すような軽快なグルーヴ。ゼンマイを巻きバネが跳ねて、何かが動き出すイメージですね。