明けましておめでとうございます。新年最初の記事としてまず、2015年のヴィジュアルシーンについてお伝えします。

新しく年が明け、「今年はどのバンドが人気出ると思う?」という声が寄せられる。例年のごとく昨年も、ブレイクアーティストたる題目での執筆依頼を受けるが、変動の多いシーンだけに、その年の終わりにはバンドがなくなっていたりと、バンドの行く末というのは実に予想が難しい。そこで、単なる予想ではなく具体的に『勢いがある』『人気がある』と言われるバンドとは、どのような要因に基づいているのか。裏付けを検証し、そこに基づいて、2015年注目のバンドを紹介してみたいと思う。

まず、バンドの勢い、人気を支える力を大きく3つに分けた。

バンドプロデュース力

音楽性、バンドの方向性を決定づけるプロデュース力。当然ながら、これに長けていなければ、人気を支え続けることはできない。以下、更に具体的な項目に分けた。

◆徹底した世界観と方向性のブレなさ
moran

Moran


ライブハウスという場所において、場を統率していく役割を担うのは観客側ではなく、バンド側。そこで何を見せ、伝えたいのかが明確でない場合、見る側も意識が散漫になる。

[2015年注目バンド]Moran
2007年に始動し、現在のメンバーでの活動は2年半前にスタート。以降、独自のスタンスを貫き、年々メンバーの個性はより際立ってきている。その成長ぶりは次第に認められ、更に大きな躍進を遂げている。創意工夫の凝らされた煌びやかな衣装や練られたステージングなど、楽曲ごとの世界観を追求。時にそれぞれの部で、表と裏という相反する世界観を表現する2部構成のワンマンライブツアーは、Moranならではのもの。

◆需要と供給のバランスの均衡
Sick2

Sick2


無数にあるバンドの中で、いかに他と差をつけ抜きん出ようかと考えるも、その抜きん出方がファンの期待していないものである場合、当たり前だがそこに需要はない。しかし、飽和状態とも取れるシーンで流行の系統の音楽性へと寄り過ぎても、そこに観客は秀でたものを見出せず、バンドは埋もれてしまう。どの社会においても言えることだが、供給者をバンド、需要者を観客とした場合、そこに高い均衡が生まれて初めて、バンドは軌道に乗り始めると言えるだろう。

[2015年注目バンド] Sick²
耳馴染みがいいだけでなく、記憶に残るようなメロディーを意識した楽曲を提供。昨年リリースされた彼らの集大成とも言えるフルアルバム『Radio Yerevan』は必聴。曲調だけでなく、歌詞も豊富なテーマを取り揃えており、聴き応えは十分。Vo.ジェネ★はサイリウムを両手に、並々ならぬ運動量で全身を使って楽曲を表現。五感に訴えかけるライブは、音源とはまた違う楽しみ方を堪能でき、他と一線を成したステージングでファンを魅了している。

◆バンドと所属事務所の良好な関係の構築と方向性の一致
カメレオ

カメレオ


自主で活動しているバンドの場合、すべて自分でバンドプロデュースを行なうが、事務所に所属しているバンドの場合、事務所もバンドの頭脳となってマネージメントを行なうため、双方が一丸となって活動していくことになる。そこで、様々なバンドを考察していて感じるのは、所属事務所と意思疎通を取り、友好的な関係を築くことは、バンドの飛躍的な成長に繋がるということだ。時に、ブログやTwitter、ライブMCなどで” 大人の事情”という言葉がポロッと飛び出すことがある。しかし、エンターテインメントを提供している側であるのなら、その建前を感じさせないのがプロであり、それはファンに余計な不安を煽ったり、憶測を掻き立てることにもなり兼ねない。

[2015年注目バンド]カメレオ
言わずと知れた現在のシーンを代表する人気バンド。彼らのワンマンライブで、ライブ以外に驚いたことは、終演後、場内にその日のセットリストが張り出されていることだ。興味を持ったがタイトルのわからなかった曲名をその場で控えることができたり、気になった楽曲を直接物販で購入することも可能。ファンの立場に立った気の利いたその気づかいについて尋ねたところ、敏腕マネージャーの考え出したアイディアであり、スタッフがライブ中にセトリを張り出しているとのこと。音楽性以外に、そうした心意気の積み重ねもファンの目にはしっかりと映っているのだろう。

バンドの意向、ファンの期待、所属事務所のビジネス戦略、この3つの歯車が合致した時、バンドは無敵の状態と言えるだろう。

>>バンドに必要不可欠な2つ目の力とは!?