まずは2015年1月2日より公開の『千年の一滴 だし しょうゆ』から、食のドキュメンタリーをご紹介。そのあと家族、スポーツ、ファッション&芸術の世界へと続きます。
食の成り立ちを知る映画
『千年の一滴 だし しょうゆ』(2014年度作品)各家庭のキッチンに必ずあるであろう「だし」「しょうゆ」。これがなくては和食は作れませんからね。でもそのなりたちを知っている人はどれくらいいるのでしょうか?
『千年の一滴 だし しょうゆ』は「だし」と「しょうゆ」のなりたちを追い続けたドキュメンタリーです。「だし」は昆布、カツオ、干しシイタケから取れますが、昆布漁をする漁師は海の近くに住んでいるのですよ。漁で得た昆布を「だし昆布」にするまでのプロセスが忍耐も要することで、これほど自然の力に左右されるとは驚きです。
これは昆布だけでなく、カツオや干しシイタケにも言えることです。私たちは自然の恵みに生かされているのだなと、しみじみ……。
「しょうゆ」のなりたちも驚きです。しょうゆ誕生の鍵はカビです。これも含めて、職人さんたちが大豆から「しょうゆ」を育てていくプロセスは興味深い。「しょうゆ」がまるで生き物のように見えて来るから不思議。
この映画を見ると、もっとちゃんと「だし」「しょうゆ」を味わいながら料理したり、食事したりしなければと思うはず。そして職人さんたちの懸命な仕事ぶり、そのプロフェッショナルな姿にも感動することしきりです。
2015年1月2日よりポレポレ東中野ほか全国順次公開
監督:柴田昌平 語り:木村多江「だし」奥貫薫「しょうゆ」
(C)プロダクション・エイシア/NHK
『世界が食べられなくなる日』(2012年度作品)
食の素晴らしさではなく、危険を声高に訴えるドキュメンタリーもけっこう多いです。『世界が食べられなくなる日』は、遺伝子組み換えについての真実を探るフランスのドキュメンタリーです。
遺伝子組み換えは食のテクノロジー。実験を経て、遺伝子組み換え食品は食卓に届きますが、果たして本当に安全なのか。また原発問題を抱えるフランスと日本。果たして原子力が食物に与える危険性は?
ジャン=ポール・ジョー監督は福島を取材。食の安全性に危機感を持っていることを伝えます。監督が語る「原子力は悪魔との契約だ。次世代への究極の犯罪だ」という言葉が重い! この映画を見た後、食糧を買うときに「遺伝子組み換え」か否かを確認するようになるはずです。
監督:ジャン=ポール・ジョー、語り:フィリップ・トレトン
>次は感動と学びがある、家族ドキュメンタリーを取り上げます。