絵本

世界一のママがいるみんなに『おかあさんがいちばん』

お話の世界では、主人公がピンチになるとヒーローが現れて彼らを助けます。では現実の世界はどうでしょう? ヒーローなんていませんか? いいえ、私たちにはお母さんがいます。お母さんが1番頼りになる訳をお話しましょう。

執筆者:大橋 悦子

ヒーローより『おかあさんがいちばん』頼りになるのです!

昔々、おとぎ話のお姫さまは、ピンチになると白馬にのった王子さまが助けに来てくれました。人間の子どもたちなら、ウルトラマンや仮面ライダー、アンパンマンなどよりどりみどりのヒーローたちに助けを求めることができます。では、動物たちはどうでしょう? オオカミに襲われそうになった(?)子うさぎたちは揃ってお母さんを呼ぶのです。だって、お母さんが1番頼りになるんだもん!

5匹の子うさぎ、はらぺこオオカミに狙われる?!

『おかあさんがいちばん』の表紙画像

絵本の世界でも、やっぱり母は強くて知恵がある?!

5人兄弟の末っ子うさぎ・ニックは、ちょっぴり怖がり屋さんです。今晩も、100ぴきのオオカミに追いかけられる夢を見ました。目が覚めてお母さんを呼ぶニックに、お母さんが優しく話しかけます。「まあ、100匹もオオカミがいたの?」「50匹だったかも……」「本当に50匹も?」「うーん、15匹かな? 5匹だけだったかも……」と、何だかはっきりしないニックです。

でも、それも仕方がないのです。読者のみなさんだって、ニックが夢で見たオオカミの姿を目の当たりにすれば、きっと同じように怖さのあまり記憶があいまいになるはずです?! オートバイにのって追いかけてきたかと思えば、次には海賊に早変わり。まるでフック船長のような大きな刀をふり回し、ニックを襲うのですからね。怖いですよ~。

ひとしきり話を聞いたお母さんは、「悪い夢を見たのね」とニックを優しく諭し寝かしつけました。ところが、すっかり目が覚めてしまった子うさぎの兄弟たち。ニックの恐怖が兄弟たちにも伝染して、もう眠れるわけがありません。「やつらはきっと、うちのそばまで来ているに違いない。襲ってくるのは、500匹ものオオカミだ。」オオカミのことを考え始めると、恐怖はいやがうえにも増していきます。どうする? 子うさぎたち……。

怖ろしいオオカミの画像

1匹だけでも恐ろしいのに、500匹ものオオカミが?!

もう、怖さを我慢するのも限界です。そこで困ったときの「母頼み」、彼らは声をそろえて叫びました。「おーかーあーあーあーあーさーあーん」 でたあ、伝家の宝刀! やっぱり困った時に1番頼りになるのはお母さんですね。助けを求めれば、必ず応えてくれるのがお母さんというものです。

さて、そのお母さん、子どもたちを安心させるために知恵を働かせ一芝居打つのですが、どんなことをしたのかは読んでのお楽しみといたしましょう。小さな読者がその手の内を知ったら、「1番頼りになるお母さん=1番好きなお母さん」であることを再確認するでしょう。そして読者のお母さんにとっても、子育てのやる気アップ確実の(?)見習ってみたい方法なのです。

とにもかくにも、お母さんのおかげで安眠を確保できた子うさぎ兄弟なのでした。やっぱりお母さんは特別な存在ですね。万事めでたし、めでたし。


【書籍DATA】
バレリー・ゴルバチョフ:作 那須田淳:訳
価格:1728円
出版社:講談社
推奨年齢:3歳くらいから
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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