ミュージカル/ミュージカル・スペシャルインタビュー

DAZZLEが玉三郎と挑む『バラーレ』。長谷川達也に聞く(4ページ目)

ストリートダンスから派生し、今をときめくダンスカンパニーDAZZLEを、あの坂東玉三郎が演出する!驚きのニュースが飛び込んできて、これはお話を聞かなきゃと思いました。1996年に結成され、国内外で活躍。独自の道を一歩ずつ拓いてきたDAZZLEが、また新たなステージに上がるのか。主宰の長谷川達也さんに伺いました。

三浦 真紀

執筆者:三浦 真紀

ミュージカルガイド

宣伝写真

マーラーの「交響曲第4番」。広がりのあるイメージ。撮影:岡本隆史

映画ではスタンリー・キューブリック監督作品が好き

——ストリートダンスもコンテンポラリーダンスも、自分とは世界が違うとか、敷居が高いとか、捉えられがちですよね。特にコンテンポラリーダンスは芸術性が高く、難解だと。
確かにそういった作品もあります。僕はそういう作品の芸術性に憧れますし、そうして文化を深めていくことも絶対的に必要なことだと思っています。ただ僕は理解できないと思うことが嫌で、また理解できないと思われることも嫌だから、多くの人が共感できてそれでいて芸術的な作品を作れないかなと考えています。違うアプローチをしてみたい。

——今まで影響されたエンタメ作品は何ですか。
映画ではスタンリー・キューブリック監督の作品が好き。『時計じかけのオレンジ』『シャイニング』『2001年宇宙の旅』など。あとジャン=ピエール・ジュネ監督『ロスト・チルドレン』。他にもたくさんあります。漫画やゲームも大好きです。日本が世界に誇る文化ですよね。もう切りがないくらい多くの作品に影響を受けました。僕もダンスや舞台で、観た人に影響を与えられるような作品を作れるようになりたいですね。

——ダンスを始めたのは18歳からとのことですが、子供の頃に何か踊ることはありましたか?
中学生の時にテレビで『ダンス甲子園』をやっていて、それがダンスに心を焦がした初めての経験です。その前はなかったですね。踊ったといえばフォークダンスくらいでしょうか。ただスポーツは大好きでした。

——運動神経のいい人はダンスが上手い人が多い気がします。形を見て真似するのが上手いし早い。
そうですね。ただダンスを教えていると、運動神経は今イチで覚えるのが遅くても、時間をかけた分、振りの一つ一つに価値がでてくることがあります。だから運動神経が悪いからダンスが下手ということではないんだな、と。すぐに覚えられる人はすぐに忘れたりしますからね。どちらがいいということではないのかもしれませんよ。

——確かに。今までに影響を受けたアーティスト、舞台作品はありますか。
ロックミュージシャンなら、雅-MIYAVI-さんが好きです。舞台もよく観に行きますね。今までに感動した舞台といえば、ルーマニアで観た『FAUST』。これは素晴らしくてビックリしました。ラスベガスでシルク・ド・ソレイユの『O』を観た時も感動しました。日本で観て好きになったのは、サイモン・マクバーニー演出の『春琴』。DAZZLEの世界観と似ているところがあり、上演されるたびに観に行ってしまいます。

子供の頃は目立ちたがり屋。本番に強かった

——子供の頃はどんな性格でしたか。
小学校の頃は目立ちたがり屋でした。何かしらヒーローになりたいと思っていた。学芸会で主役をやりたがる、スポーツでも活躍したがる。やたら本番に強い子だったんですよ。今は少し、失われてきているんですけど(笑)。大人になって責任が出てきたからかな。

——俳優になろうとか思わなかった?
思わなかったですね。ダンスを始めて表現する中で、演技をもっと勉強する必要を感じることは多々ありますが…。

——これからのDAZZLEの方向性は模索中?
そうですね。いろんなことにチャレンジしたいですし、今までやってきた手法をもっと突き詰めたいというのもあります。
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