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日本全国が癒される博多華丸・大吉の漫才の秘密(2ページ目)

2014年の「THE MANZAI」はコンビ歴24年の博多華丸・大吉がグランプリの栄冠に輝きました。これまでのコンテストとは違い、バリバリの売れっ子が受賞したのはかなり珍しいケースです。とはいえ、テレビに出ずっぱりのわりには、福岡での若手時代など全国的には知られていない部分も少なくない2人。この機会にしっかり調べていきます。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

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ゆったりテンポの中に仕込まれたスゴ技

これまでコンテストで優勝した芸人やコンビを取り上げる際には、その勝因を自分なりに分析してきたんですが、今回ばかりは2ネタとも説明不要の圧倒的強さが発揮され、一切説明不要のようにも思いました。でもそれでは、真剣に見てないように思われかねないので(笑)、一点だけ。

2本目の冒頭で華丸・大吉は、前のネタの「YouTuber」をもう一度持ち出してくるというツカミで、場内大爆笑をかっさらいました。あそこで優勝を確信した人は多かったと思いますが、それ以上に驚いたのが、あのツカミはあの場面でしか使えない、非常に貴重なテクニックだったってことです。

テレビ番組の中で2ネタ漫才をやる機会なんて、滅多にありません。そのうえ、緊張感あふれる舞台であることも重要な条件の一つです。ということは、この時までに一切客前で試すことのできなかった、おそらくブッツケ本番の大技だったのでは。他と比べると、肩の力が抜けた漫才のような評価もありましたが、実は冒頭からとんでもない大勝負を掛けていたんですね。

2人が漫才復活の鍵を握る

華丸・大吉の目指す漫才は、子どもからお年寄りまで楽しめて、誰も傷つけることのない「寅さん」のようなやり取りだと、事前VTRの中でも語られていました。確かに、漫才の中で華丸が演じる「博多のおじさん」は、親戚の集まりの中に必ず1人はいそうな親しみの持てるキャラクターです。

1980年代は若者の観客に受ける漫才がブームを巻き起こしました。しかし少子高齢化が進んだ現代に再び漫才人気を復活させるには、幅広い層に受けるものが必要になってきます。今回の「THE MANZAIを機に、華丸・大吉のスタイルを取り入れる若手が増えれば、新たな形のマンザイブームが生まれることも、決して夢ではないと思うのですが。
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