ドラマと言えば脚本。そして台詞。様々な言葉に私たちは勇気をもらったり、新しい人生観を教えられたりします。
新しい1年を新鮮な気持ちで迎えられそうなドラマ
■南国の光と風に晴れ晴れする
『ちゅらさん』 (2001年4月~9月 NHKにて放送)
沖縄生まれ沖縄育ちの主人公・古波蔵恵里(国仲涼子)が家族や周囲の人たちに支えられながら成長していく物語ですが、そのエネルギーはいつもキラキラ輝いていて、沖縄の太陽そのものでした。
沖縄の風景は青い空、青い海はもちろん、水平線や地平線など忘れかけていた広大な地球を思い出させてくれ、心が解き放たれます。
アロハシャツやカチャーシー(沖縄の踊り)、沖縄赤瓦など画面からあふれる太陽の日差しが気持ちよく、ほんわかした沖縄の言葉は胸にしみます。伸び伸びと温かい登場人物の澄みわたる心は、私たちの足早な毎日を忘れさせてくれます。
晴れた心で2015年を迎えるのに最高の1作と言えそうですね。
■北国の穏やかな時間の流れに家族を思う
『風のガーデン』 (2008年10月~12月 フジテレビ系列にて放送)
富良野の風景とともに美しいイングリッシュガーデンの四季の草花が光と風に揺れ、清々しさを視聴者に届けます。
末期がんの主人公・白鳥貞美(中井貴一)の父親で医師の貞三(緒形拳)が紡ぐ”花言葉”も作品を彩ります。たとえばカサブランカは「わが青春のイングリッド・バーグマン」、アジサイは「雨を待つ恋人たち」など……。ふと自分に重ね合わせて可笑しかったり、しみじみしたりします。緒形拳の筆による風のガーデンの文字にも丸みあり、厚みあり、深みありで作品を膨らませます。
緩やかに流れる時間のなかで、いくつもの宿題を抱えた登場人物たちが命に向き合う姿は、私たちの心に響きます。いつの時代も家族は、誰にとっても強く優しい存在。新しい年を迎える今、家族に会いたくなる1作です。