絵本

おかたづけのはじめの一歩『ぼくのおうちしってる?』

おうちの廊下に置き去られたぬいぐるみのくまが、家の中の色々な物たちに「ぼくのおうちしってる?」と尋ねながら、自分のおうちに帰ろうとします。単純な会話のやりとりと繰り返しにわかりやすいストーリー、親しみやすい絵柄は、言葉が出始める1~2歳のお子さんにもぴったりです。おかたづけを考えるはじめの一歩にもなりそうです。

執筆者:千葉 美奈子

くまのぬいぐるみのおうち探し『ぼくのおうちしってる?』

「ぼくのおうちしってる?」。廊下に置き去られてしまってしまったくまのぬいぐるみが、家の中の色々な物に尋ねながら歩き回る様子は、ちょっと心細そう。出会う物たちは口をそろえて「しらないよ」。ぬいぐるみのくまさんは、どうなってしまうのかな?

絵本『ぼくのおうちしってる?』

絵本『ぼくのおうちしってる?』

絵本『ぼくのおうちしってる?』には、ぬいぐるみやおもちゃ、家具、食器、電化製品などの身の周りの物が、小さな子たちが親近感を持ちやすい温かみのあるかわいらしい表情で描かれています。1つだけ、電話は古風にダイヤル式の黒電話、音の描写が「りりりん」というのは、現代の日常で見かけないものではありますが、子どもはあまり抵抗なく受け止めるようです。我が家では、小学生の兄が2歳の弟に、「昔の電話だよ」と言いながら読んでいました。

簡単な文章とわかりやすい場面の繰り返し、一件落着のラスト。言葉が出始め、絵本を読んでもらうことに楽しみを感じ、自分から絵本に手を伸ばし始めるような1~2歳の子にぴったりの1冊です。

福音館書店の『ぼくのおうちしってる?』紹介ページ


言葉が急速に育つ1~2歳代にぴったり

0歳のころに自分の中に蓄積していた言葉が、あふれるように出てくるのが1~2歳代。この時期の子にとって絵本によって経験やイメージを再現したりあれやこれやと想像をすることは、色々なものへの興味を広げて伸ばしてあげるよい刺激になります。

分かりやすいく短いお話は、繰り返し楽しもうという気持ちも引き出してくれます。2歳前後にもなれば、「読んでもらう」だけでなく、自分でページを前に後ろにとめくって絵を楽しみ、思いを巡らせるという作業ができるようになってきます。そんな時に、小さな子の指でもめくりやすく紙で手を切る心配が少ない、加えて少々荒っぽい扱いにも耐えてくれるボードブック(厚紙)タイプの絵本は、心強いですね。


おかたづけを考えるはじめの一歩にも

くまのぬいぐるみ

くまさんの仲間たちはどこにいるかな?

1~2歳はまだきちんとおかたづけをすることは難しくても、「もとにあったところに戻そうね」「置きっ放しにしないようにしようね」ということを楽しく伝え、一緒におかたづけをするきっかけにもなるかもしれません。

ところで、我が家は、幼児である子はもちろん、小中学生の上の子たちに、この絵本を手渡したいぐらいです。「おかたづけを継続的にきちんとする」というのは、なかなか難しい課題ですねえ……。

絵本でも、くまさんのおうちを知っていたのは、家中を動き回っているある物です。そこも楽しみに読んでみてくださいね。

【DATA】
ふくしまあきえ作
出版社:福音館書店
現在在庫切れなので、図書館で探してみてください。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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