2014年も多くの新バンドが誕生
My BACTERIA HEAT IsLAND
今年も多くのバンドが結成された。始動を果たしたバンドの中で勢いを見せたのは、すでに”マイバク”の愛称で親しまれている<
My BACTERIA HEAT IsLAND>だ。最後にVo.点々がバンドに合流し、妥協することなくメンバーを集め、満を持して今年5月に始動。始動前に、シャツにネクタイといったスタイリッシュな衣装を身に纏ったアー写のみを公開し、ファンの期待を募った。しかし、始動当日に見せたのは、それとは打って変わった、思い切りのいいヴィジュアルメイクを施した姿と、ヴィジュアルロックバンドたる激熱なサウンドだった。以降、常に見る者の度肝を抜き、観客を虜に。2015年の活躍にも期待が掛かる。
Femme fatale
また、同シーンにいながら、主にソロシンガーとして活躍をしてきたkayaが今年5月、豪華なメンバーを引き連れ、<
Femme fatale>を始動。古き良き耽美のヴィジュアル系の歴史を引き継ぐと共に、抜群の歌唱力を誇るkayaにバンドサウンドを重ねることで、新たな壮大な世界観を見せ、魅了している。
絶えない解散・脱退・無期限活動休止
新しいバンドが次々と生まれる一方で、解散、脱退、無期限活動休止という発表も絶えない。ざっと数えただけでも、少なくとも月に20件は“大切なお知らせ”という残念なタイトルのお知らせが流れてきた。
ν[NEU]
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ν[NEU]>は12月29日(月)に行われる渋谷公会堂でのワンマンライブをもって活動を終了することを発表。10月26日にTwitterの公式アカウント上でそれが発表されるやいなや、リツイート数は一気に6500を越え、反響の大きさが伺えた。ν[NEU]は、2009年に現在のメンバーで第三期となる活動を開始し、2011年にメジャーデビュー。以降、イベントライブへも積極的に参加していたこともあり、楽曲の浸透が高く、また華やかさをもたらすステージングで、バンドファン同士の垣根を越え、多くのバンギャルに愛されていた。現在のヴィジュアルシーンの主流として、楽曲にシンセサイザーを多く使用するポップなサウンド、衣装に見られる華やかな印象などを特徴として挙げられる” キラキラ系”と呼ばれるジャンルがある。そのブームの先掛けともいえ、一時代を築いたν[NEU]を失うことは、シーンとしても実に惜しい。
MoNoLith
その他、ツインボーカルという珍しいバンド体系で知られる<
MoNoLith>が8月31日に解散したのは、地方発バンドの消滅という点でも、惜しまれる出来事だった。始動時より地元仙台から活動拠点を移さず、仙台バンドであることを誇りとし、また一度もメンバーチェンジを行なうことなく8年間活動を続けてきたことは、脱退・解散の多い昨今において、異例とも言える。そんな大きな地方の勢力が、またひとつ消滅してしまったことは残念ではあるが、彼らの揺るぐことのなかった音楽性や熱い思いは、今後も受け継がれることだろう。
サウイフモノ
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サウイフモノ>は、『ヒロバッキー救済計画』という名の元、今年9月に行なわれたツアーファイナルまでに1000枚の嘆願書を集められなければ、Gt.ヒロバッキーが脱退、とあらかじめ脱退を宣告。そこからバンド、メンバー共に成長、奮闘していく様子をメンズファッション誌『Men’s SPIDER』が毎号密着取材し伝えるという、過去に類を見ない形を見せ話題を呼んだ。結果、無事にミッションは成功し、脱退を免れ、メンバー間のみならず、メンバーとファンの絆も深まった出来事だった。
その他、“ 脱退”に代わって“ 卒業”という表現が多様されるようになったのも2014年の傾向のひとつとして挙げられる。
脱退と同意語だが、アイドルグループおける卒業と同じように、主にバンドと合意のもと、円満にバンドを離れる場合に使われるようだ。突然の失踪や素行不良などを理由に、脱退を余儀なくされるケースが少なくないヴィジュアルシーンだけに、それとは異なるという点を主張したいのだろう。また、脱退というマイナスのイメージを少しでも緩和するのに使用していると言える。
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