マネジメント/マネジメント事例

ドーナツは語る!セブンとローソン、真逆の戦略とは

時期を同じくしてコンビニエンスストア業界首位セブンイレブンと2位ローソンが、新たな戦略を打ち出しました。セブンイレブンは店頭でオリジナルのドーナツを扱い、ローソンは大手ネット通販を店頭で申し込めるサービスを開始します。業界の覇権を巡る火花の散らし合いと言えるこの戦いですか、戦略思考の面からはある意味真逆を行くものでもあるのです。業界主導権争いに見るその思考の違いを分析します。

大関 暁夫

執筆者:大関 暁夫

組織マネジメントガイド

ドーナツ戦略で垂直展開のセブンイレブン

コンビニエンスストア業界(以下コンビニ業界)首位のセブンイレブン・ジャパンは先日、オリジナルのドーナッツ販売に大々的に乗り出すと発表しました。

この報道に関する一般的な受け止め方は、「セブンがドーナツ業界へ殴り込みか」と言ったトーンが主流なのですが、実はこの戦略は至ってオーソドックスな販売強化策であると言えるのです。言ってみれば事業の垂直展開。垂直展開とは現在もっている技術やノウハウをさらに深化させ、そのジャンルでより強固な地位を確保する戦略のことなのです。

解説

セブンイレブンはドーナッツの取り扱いで集客強化へ

これまでコンビニ業界において、もっとも重要で特徴的な役割を果たしてきたのが、おにぎり、サンドイッチを含むお弁当の類です。コンビニをいわゆる長時間営業の雑貨屋さん的存在から脱皮させたものがこれら食品の取り扱いにあるといっても過言ではありません。その意味で、今この領域をいかに強化していくかはコンビニにとって最も重要な主力戦略にあたるのです。

セブンイレブンはこれまでも業界のリーダーとして、この領域において弁当購入を促すためのおでんの取り扱い、パン類はじめ食料品全般の購入を促すためのドリップコーヒーの取り扱いなどを先駆的に取り入れて来ました。今回のドーナツの取り扱いは、明らかにこの延長線上にあり、持てるノウハウをより深く、より強く突き詰める新たなる垂直展開戦略であるのです。

異業種連携で水平展開のローソン

一方業界2位のローソン。こちらが発表したのは、ネット通販大手のアマゾン・ジャパンとの全面提携。アマゾンの商品をローソンの店頭で注文したり、朝ネットで注文した商品を最短当日夜にローソンで受け取ることもできるようになるといいます。

こちらの戦略は、セブンイレブンが主力事業の強化に出た垂直展開に対して、コンビニの利便性活用ノウハウを他業種に広げようといういわば水平展開と言える戦略です。水平展開とは現在もっている技術・ノウハウを他のジャンルに転用し、より幅広い分野で利益を上げていくことを狙う戦略のこと。
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