”色のない世界”ショーシャンク刑務所に一人の男がやって来る
その男がもたらしたものとは
『ロンドン版 ショーシャンクの空に』
刑務所内では囚人に労働させた賃金のピンハネをしている刑務所長のスタマス(板尾創路)や看守長のハドリー(粟野史浩)が圧倒的な権力を持ち、暴力的な囚人・ボグス(谷田歩)、図書館係の老囚人・ブルックシー(小林勝也)、後にアンディとも親しくなるヘイウッドやアーニー、チェスターらの受刑者たちを完全に支配していた。そんなある日、若い囚人・トミー(三浦涼介)がショーシャンクに収監された事でアンディの運命は大きく動き出す……。
『ロンドン版 ショーシャンクの空に』
新人受刑者として連れて来られるアンディ役の佐々木蔵之介さんの目からは感情が消えており、全ての衣類と共に彼の人間としての尊厳が剥ぎ取られる様子は痛々しく、彼が刑務所内で次々と受ける理不尽な暴力に胸が痛みます。
佐々木さん演じるアンディはほぼ生の感情を表に出さず、基本ニュートラルな状態でその場に存在。地獄のような生活の中で自分の武器を見つけ、その武器を利用して少しづつ自らの居場所を変えていく……。知的で冷静でありながら、ボグスらの暴力とは真っ向から戦い、所長と交渉するしたたかさも併せ持ち……と、ただの「正しい人」で収まらない人物造形がとても魅力的だと思いました。主演として完璧に受けの芝居を成立させながら、場を引っ張っていく姿には俳優としての胆力を感じます。
アンディがショーシャンクにいた19年間の年月を、身のこなしや表情で明確に見せていく技術も流石。佐々木さんの佇まいから観客は”19年の重さ”を実感するのです。
『ロンドン版 ショーシャンクの空に』
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