フィアット500より高級車なのに、安い!
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はクライスラーイプシロン(現行型)をご紹介したいと思います。3ドアのフィアット500より使い勝手がよい5ドアなのに、一見3ドアに見えるデザイン。乗車定員も4名のフィアット500に対し、こちらは5名
クライスラーとはいっても実はコレ、ランチアイプシロン。フィアットがクライスラーを傘下に収めたことに伴い、クライスラーとランチアが統合されて、日本ではクライスラーブランドに一本化されたからです。
というわけでややこしいですが、つくったのはランチア。さらに面倒な話をすると、ベースとなったのはフィアット500です。つまりフィアット500をランチアが別の車に仕立て、それをクライスラーブランドとして日本で売っているということになります。
とにかく小型のイタリア車で、フィアット500と兄弟のような関係。しかし人気度というか、認知度の違いが中古車価格に大きな差を生んでいます。
原稿執筆時点で見ると、クライスラーイプシロンの最安値は109.9万円。2013年式の走行距離1.9万km、修復歴なしです。グレードは新車時価格が235万円のゴールドですから、わずか1年落ちでラクラク新車時の半額以下ということになります。
ホイールベースはフィアット500の2300mmから2390mmに延長されています。また小さな高級車らしくフィアット500より静粛性が高く、乗り心地もソフト
一方同年式のフィアット500の中古車はというと、例えば走行距離1.3万kmのSが178万円で販売されています。新車時価格は225万円。クライスラーイプシロンがどれだけお買い得か、おわかりですよね。
それどころか、もともとはランチアを冠した車ですから、フィアットよりは高級車に仕立てられています。そう考えるとお買い得感は見た目の数字以上にあるというわけです。
ランチアといえば、私のようなスーパーカー世代はストラトスが思い出されるかもしれません。またラリーカーとして開発されたデルタインテグラーレや、フェラーリ308のV8エンジンを搭載したテーマ8.32なんていうのもありました。
1969年からはフィアット傘下に入り、フィアットより高級車という位置付けになりました。そのため、1994年に初代イプシロンが、2002年には2代目がデビューしましたが、いずれも当時のフィアットプントのプラットフォームを使った小さな高級車というキャラクターでした。
そして3代目が、2012年12月から日本でクライスラーイプシロンとして販売されることになったのですが、先述の通りフィアット500のプラットフォームを使用しています。
ではどんな車に仕上げられたのか? 次ページで詳しく見ていきましょう。