男のボディケア/デオドラント・臭い対策

フェロモンと匂いの違いを徹底解説!フェロモンの正体はなに?

フェロモンは異性を引き付けると信じられています。ワキガの匂いも実は一種のフェロモンで、時と場合によっては本能を刺激する匂いになるともいわれます。男性・女性ともに匂いとフェロモンの違いは何なのか? フェロモンの原理と正体について解説します。

大泉 高明

執筆者:大泉 高明

男のボディケアガイド

<目次>
 

フェロモンとは? フェロモンと匂いの違い

フェロモンとは、自分以外の生物に生理活性をもたらす物質

フェロモンとは、自分以外の生物に生理活性をもたらす物質

フェロモンとは生物学用語で、外分泌生理活性物質を意味し、体外に分泌されて、自分や自分以外の生物に様々な生理活性をもたらす微量物質の総称です。

対するのが内分泌生理活性物質を意味するホルモンで、こちらは体内に分泌されて、様々な生理活性を引き起こす微量物質の総称です。

『ファーブル昆虫記』に書かれている、蛾の誘引物質(性フェロモン)に始まり、これまで様々なフェロモンの研究がされてきました。一番有名なのが雄と雌をひきつけあう性フェロモンですが、敵や恋敵を寄せ付けない忌避性のフェロモンや、食行動を促すフェロモンなども見つかっています。

昆虫以外でも人間を含む様々な動物がフェロモンを出していることが解ってきました。昆虫や他の動物ほどではありませんが、人間もある種のフェロモンを分泌していると考えられています。
「あの人、フェロモンが出ているね」と、異性を引き付ける性的魅力を漠然とさして使われることが多いですが、様々なフェロモンがあるのです。
 

生理活性をもたらす男性ホルモンの匂いとは?

においが女性を興奮させることも

においが女性を興奮させることも

ヨーロッパでは古くから香水の研究が盛んで、フェロモンが発見される前から、経験的にある種の匂いが、人間に生理活性をもたらすことがわかっていました。

クレオパトラが媚薬として用いたといわれるジャコウネコ=じゃ香猫の性フェロモンであるシベットの主成分シベトンや、ジャコウジカ=じゃ香鹿の性フェロモンであるムスクの主成分ムスコンは、高級な香水に微量使われる匂い物質です。そのままでは強烈な悪臭がしますが、薄めると芳香になります。これらは炭素数15~17の大環状ケトンとよばれる共通の構造をもつ匂い物質であり、実は、この匂い物質はいわゆるワキガのにおいにも含まれているのです。

ワキガの原因ともされるアポクリン腺(大汗腺)は、本来は性フェロモンを分泌させる器官であると考えられていて、ワキガのにおいはシーンによっては女性を興奮させるともいわれるようです。

男性の性フェロモンはα-アンドロスタンジオールという物質で、男性ホルモンが代謝されてできる化合物です。この化合物は男性が嗅ぐと大変いやな臭いに感じますが、女性には比較的平気な人が多いということです。

ただし、これは体が常に清潔に保たれていることが条件で、不潔にして雑菌によって分解されてしまうと、ただの悪臭でしかないので要注意。

このように、芳香剤などの良い匂いが、必ずしも性的な良い匂いではなく、匂いというものは人間の生理や感情の奥深いところに複雑に作用しているようです。
 

異性にモテる匂いとは?

女性に良いニオイと思わせるには?

女性に良いニオイと思わせるには?

人間にも性フェロモンが存在し、じょ鼻器(ヤコブソン器官)によって知覚されます。これは第二の鼻とも呼ばれる感覚器で、通常の匂いセンサーである嗅球とは別の感覚器です。鼻腔を左右に隔てる鼻中隔にある、フェロモンの受容器です。

しかし、人間の場合、大脳新皮質が発達しているため、性フェロモンの作用が即性行動に結び付くということはありません。そのため、ムスクが入った高級香水を頭から振り掛けたところで、それだけでモテるということはあり得ないのです。むしろ、気持ち悪いやつと疎まれるのが関の山でしょう。

匂いは大脳辺縁系を通じて、情動の奥底に届くのは確かですが、人間は大脳新皮質の発達により、五感からの様々な情報を複雑に処理して、情動や行動をコントロールしています。そのため、もしあなたが異性にモテたいのであれば、TPOに応じて相手の五感を制することが必要です。つまり、昼とか夜とか、様々なシーンを考慮したうえで、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚という五感のなかで、相手に一番喜ばれることは何かを考えることです。

もしこのとき、匂いを制することが出来れば、それは強力な最終兵器ともなります。ただし、最終兵器は使うタイミングを間違えると、決定的な失敗にもなり得ます。あくまでもTPOを大事にして、相手の心が開ききったところで使うのが匂いのコツです。
TPOにマッチしたニオイの演出が必要

TPOにマッチしたニオイの演出が必要

 

天然の匂いを感じ、感性を磨こう

匂いを制するには、まず自分の嗅覚を磨く必要があります。そのためには普段の生活で、かすかで微妙な天然の匂いを感じることです。強い芳香剤や人工的な香りを避けて生活し、感性を磨く必要があります。

身近なシーンで、匂いを一番感じるのは食事のシーンです。この時、人工的な加工食品ばかり食べていると、それに慣れてしまい嗅覚は鈍ります。天然の素材の本物の香りを楽しむことも嗅覚の訓練に欠かせません。

次に重要なのは自分に自信を持つことです。脳の嗅覚野は大脳辺縁系という情動を司る脳の部分にあり匂いと情動は表裏一体の関係にあります。匂いによって情動が左右され、また情動によって体から出る匂いが左右されます。

そのため緊張した時にでる体臭とリラックスした時に出る体臭は異なります。緊張した時の体臭は人を寄せ付けない忌避的な匂いになりますが、リラックスした時の体臭は人を引き寄せる誘因的な匂いになります。

現代人は匂いを大変気にするようになっていますが、匂いがない人間は一人もいません。体臭も口臭も誰でも生理的にあるもので、身体や口腔内を清潔に保っていれば、ほとんど問題はないはずです。アポクリン腺が発達したワキガ体質といわれる方でも、分泌物が臭うのではなく、分泌物が皮膚の常在菌によって分解されワキガのにおいになるのです。

残念ながら人間の場合は、においだけでモテるということはありませんが、もしあなたが嗅覚をはじめとする感性を磨き、TPOにマッチした匂いの演出をすることができれば、それは代えがたい宝となるでしょう。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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