テクノポップ/アーティストインタヴュー

松前公高クロニクル Pt. 2:この十年を振り返って(2ページ目)

前回好評だった「松前公高クロニクル」からはや10年…Part 2として松前公高さんにこの10年の活動を総括していただきました。AOR話からアースクロック、大ヒットした「おしりかじり虫」、クールな「大科学実験」、エキスポ復活となった「キルミーのベイベー!」そして最近開催された「ピコピコカケラ村のヒトビト」までと濃~い内容です。

四方 宏明

四方 宏明

テクノポップ ガイド

テクノポップを中心としたレコード蒐集癖からPOP ACADEMYを1997年に設立。2016年に『共産テクノ ソ連編』を出版。さらに、プロダクトリサーチャーとして、商品、サービス、教育にわたる幅広い業種において開発コンサルティングに従事。Twitter(hiroaki4kata)も随時更新。

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神戸空港のアースクロック

ガイド:
では、松前さんの作品の話をしましょう。
2006年2月16日に神戸空港が開港しました。空港の出発ロビーにある大時計、アースクロックの時報音を製作されたんですよね。ブライアン・イーノは『Music for Airports』を作りましたが、飛行場で流れる音楽を製作するというのは、なんだか夢があっていいですね。

アースクロック (Living World)
アースクロック・レポート その2:サウンドデザイン編 (Living World)

earthclock

神戸空港 アースクロック
 

松前:
はい。大阪に戻ってきて、ちょうどよかったのですが、仕事自体は元々、20代京浜兄弟社時代に友達だった西村佳哲くんからの、つまり東京からの依頼だったんです。プロジェクターを使って円形の地球と時計が表示されます。地球の表示は実際にその日その時間の昼夜がわかるように影がついています。いわば自然の時計表示ですね。一方で分報を鳴らすタイミングで60分全て別々のデザインの時計が表示されます。この分報の音、そして時報の音を作りました。分報なんだけど、これは環境音楽的な考えで言えば、テンポ1の音楽みたいな事(笑)。1分に1音、60分かけて1曲が鳴るような感じですね。1分に1音じゃあメロディとして認識するのは不可能ですが。

ブライアン・イーノの『Music for Airports』も大好きですが、特に影響を受けなくても、実際に空港という場所でお客さんや、放送が入る事をイメージすると、やわらかいサウンドが合うな、と思いました。

earthclockdesign

アースクロック・デザイン


ガイド:
今も神戸空港で聴けるのですか?

松前:
残念ながら今は、この時計は動いていない様です。
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