事例で検証
パティシエの事例で納税額を計算します
【事例】
サイトウカズヒコ(仮名)さん(38歳0ヵ月)はパティシエです。専門学校を卒業後、実家の洋菓子店で働いてきたので、会社勤めの経験はありません。国民年金の保険料は20歳から払い続けていますが、国民年金だけだと会社員より年金が少ないと聞き、上乗せ分の年金を準備しようと考えています。自営業者の公的な年金制度は国民年金基金だと聞いたので、国民年金基金への加入を検討しています。
(国民年金基金掛金月額より抜粋)
●国民年金基金加入前の所得税(概算)
(250万円×10%-9万7,500円)×102.1%=155,702円(1円未満切り捨て、以下同じ)
●国民年金基金加入後の所得税(概算)
{(250万円-13万3,200円)×10%-9万7,500円}×102.1%=142,102円
基金の掛金が所得控除されることで、所得税が概算で1万3,600円低くなります。さらに、住民税(課税所得の10%)を考慮すれば、概算で合計2万6,920円税負担が軽くなります。
また、サイトウさんは店の改装にかかった費用の返済が終わる来年になったら、さらに保障を手厚くしたいと考えています。39歳0ヵ月で終身年金A型を3口、I型を3口増額すると、サイトウさんの掛金総額は以下のようになります。
●1口目
A型 月額1万1,100円 年額13万3,200円
●増口した2口目以降
A型 月額3,910円×3口=11,730円 年額14万760円
I型 月額2,785円×3口=8,355円 年額10万260円
●掛金総額
月額3万1,185円 年額37万4,220円
仮に、来年の課税所得が今年と同額だった場合、サイトウさんの所得税(概算)は次のようになります。
{(250万円-37万4,220円)×10%-9万7,500円}×102.1%=11万7,494円
国民年金基金は掛金の上限(月額6万8,000円)までなら増口できるので、サイトウさんが今後保障を充実したいと考える場合はさらに増口することができます。
増口後のサイトウさんの老齢給付は終身年金で年額36万円、65歳から80歳までの15年間はさらに年額18万円が上乗せされます。
(老齢基礎年金は平成26年度額)