大和ハウスが子育て配慮仕様のモデルハウスをオープン
今回の記事では、先日、私が取材してきました大和ハウス工業の「+Child first(プラスチャイルドファースト)の家」を参考に、子育て配慮の最前線の取り組み、「こんなことまでできますよ」という事例をご紹介します。玄関へのアプローチ部分。階段の踏み幅が広く取られ、右側にはベビーカー用のスロープも設けてある。子育て世帯にはもちろんだが、年を取った際にもこのような玄関であれば上り下りがしやすくていい(クリックすると拡大します)
さて、「+Child firstの家」は子育て配慮のための55のアイデアが盛り込まれているとのことでした。ここでは私なりに感心させられたものを中心にご紹介します。1階から見ていきましょう。まず玄関周りから。玄関に続くアプローチ階段の傾斜が緩やかで、横にはスロープも設けられていました。
確認したところ、階段の踏み幅は通常のタイル一枚分から、さらにその半分ほど大きくされており、これにより幼児でも上り下りをしやすくしたといいます。スロープを設けたのは、ベビーカーをスムーズに移動できるようにする配慮です。
一般的に子育て配慮は建物のみに注意がいきがちですが、このように玄関アプローチ部分も含めた外構にも配慮をしているのは非常に良い提案だと思われました。
建物内部の玄関周りには、たっぷりの収納量が確保されていました。土間収納があり、ここにはベビーカーなども収納できます。また、外出着などを収納できる「お出かけクローク」も用意されていました。このほか、玄関ドアには指はさみを防止する配慮も。
リビングダイニングで最も興味深かったのが、出隅(壁のコーナー部分)に丸みを持たせていたこと。これなら、子どもが万一転倒しても怪我をすることが少なくなりますし、大人にとっても小指をぶつけて痛い思いをすることも少なくなるはずです。
スイッチ&コンセントの高さには決まりがない!
スイッチは110cmの高さに設置されていましたが、これにより小さな子どもでもONOFがしやすくなります。ちなみに、スイッチやコンセントの位置はどの住宅でも高さが決まっているように思われますが、そうではありません。ハウスメーカーなどには推奨の高さがあるようですが、決して決まり事ではありません。もし、子どもの使い勝手や安心・安全を重視したいのなら高さを変えることができますから、皆さんの住まいづくりでも検討してみてはいかがでしょうか。
テレビは壁掛け式。薄型テレビは転倒しやすいからという配慮です。地震時やイタズラで倒れる心配がありますので、壁掛け式にしておく方が無難という考え方です。このあたりは一般の皆さんにも参考になる提案です。
空気清浄機は天井に組み込まれていました。近年、空気質の問題がクローズアップされていますが、それに対応するもの。市販されている室内置きタイプの場合、イタズラなどで転倒する可能性があるため、天井に組み込んだそうです。
キッチン周りでは、食器洗浄機と炊飯器やポットを置く食器棚に蒸気の温度を下げる機械を設置。これによりヤケドなどの心配を少なくできるといいます。おいしく安全な水を気軽に飲めるように、ウォーターサーバを設置していたのは、大和ハウスならではの提案だったと思いました。
次のページでは、洗面所やトイレ、浴室、さらには2階の間取りなどの工夫についてご紹介します。