問題集にはないテキストの利点
そうは言っても、テキストにも利点はあります。問題集と比べながら考えてみます。・一覧性に優れている
問題集の問題点は、知識が断片的であり、周辺知識の確認ができない点です。例えば、3つの要件のうち1つを問う問題があり、間違ったとします。間違った要件は解説に掲載されています。しかし、残りの2つの要件について問題集では確認できないことが多いのです。テキストを見れば全部掲載されています。
また、ある問題を間違ったという場合、その周辺知識についても理解や暗記ができていないことが多いのです。周辺知識の確認をする際にも、テキストは優れています。
・知識の整理に役立つ
問題集は重要な知識が掲載されていますが、ただそれを覚えるだけでは頭の整理ができません。知識が氾濫してしまいます。そこでテキストを使います。テキストの「目次」に注目してください。テキストは法律の「体系」に従って記述されています。その体系の骨格を端的に表しているのが「目次」です。この目次を使って知識の整理ができます。
このようにテキストでは知識を入れることを中心にするのではなく、必要とされる場合に限定して、確認や整理のために使うべきなのです。知識を入れるのは問題集の方が効率的です。なお、問題集の使い方についてはこちらをご覧ください。
具体的なテキストの使い方
それでは具体的に授業や復習を想定して、テキストの使い方をご説明したいと思います。・予習
テキストの予習は不要です。なぜなら、予備校は予習をしていないことを前提に授業を構成しているからです。
・授業中
講師の指示に従いアンダーラインなどの書き込みは必ずしてください。また、講師の説明もできるだけ書き写すようにしてください。
・授業後当日
帰宅したら、30分と時間を決めてテキストを確認してください。まず目次をさらって授業の全体像を確認してください。これを2~3回行ってください。次に、テキストに「まとめの図表」がある場合それを確認してください。最重要論点です。それが終わって時間があるようでしたら、講師の説明やアンダーラインをしたところを見てください。
・授業の翌日以降
問題集を解き、間違った場合にはテキストで確認しましょう。その際、該当ページに講師の説明の書き込みやアンダーラインが引いてある場合は、それが問題を解くポイントであることが多いので、特に注意してください。そして、間違った箇所は、消えないペンでテキストに印をつけてください。弱点が鮮明になり後の勉強が楽になります。
問題集を1回以上解いて、ある程度解けるようになったら、テキストを使って授業の復習をします。目次は頭に入っているでしょうから、まずは「まとめの図表」を復習してください。最重要論点から手をつけるべきです。その際は、どの知識がどうやって出題されていたかを思い出してください。思い浮かばないときは問題集をチェックして過去問を確認してください。知識は必ず問題と結びつけてください。
それが終わったら、今度は、講師の指示によるアンダーラインや説明を復習してください。「復習が遅すぎないか」という疑問があるかもしれません。しかし講師は授業で問題集が解けるように、つまり、過去問を解くのに必要な知識を教えているはずです。
ですので、問題が解けたのであれば必要な知識はすでに身についていますし、間違った場合は、上記の方法で復習済みのはず。残されているのは、解ける問題についての知識と、出題予想的な応用的な知識なのです。この方法により、基礎と応用を混在することなく勉強ができるようになります。