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ゲーム実況はふんわり黙認からきちんと許諾へ(2ページ目)

任天堂が、2014年12月1日より、250以上のタイトルにおいてニコニコ動画の「クリエイター奨励プログラム」に対応することを発表しました。簡単に言えば、任天堂のゲームの動画をニコニコ動画へ投稿する際、正式な許諾が得られる仕組みができた、ということです。SCEやMSに続いて、任天堂も積極的な姿勢を見せたことで、ゲーム実況のムーブメントはさらに大きなものとなりそうです。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

リスクよりも、リターン

ぷよぷよの図

過去にセガが「ぷよぷよ!!」の動画を公認した、というのも話題になりましたね。ぷよぷよみたいなパズルゲームは、リスクは小さく、リターンが大きいわけです。

なぜSCEや任天堂が、そういう決断をするようになったかと言えば、リターンがあるからです。動画を観ることによってゲームを知る、ゲームの面白さが分かるといった宣伝効果、ユーザーの盛り上がりなど、ゲームの販売に有益に働く点がいくつもあります。

一方で、ユーザーが好き勝手に作る動画を公認するとなると、問題も出てきます。単純に、ゲームの重要なシーンが動画によって広まってしまい、ゲームを実際にプレイする人が減ってしまうかもしれない、という懸念があるかもしれません。

あるいは許諾をする、公認をするとなると、その内容について、どうしてもある一定の責任が発生します。メーカーが作ったものではなかったとしても、その動画の内容が社会から強く批判されるようなものであった時に、許諾している限りは無関係です、とは言い逃れできません。

それでも、それでもです。昨今のユーザーによるゲーム動画の盛り上がりが、ゲームビジネスにとってプラスであると、判断したということになります。

積極的に増やす時代の到来

風来のシレンの図

実はガイドは、「ニコニコ ゲームマスター with 不思議のダンジョン2 風来のシレン」というイベントに出演したことがあるんですが、これはまさに積極的に動画を増やしていくイベントでした。

許諾が出ると、次はどうなるか、おそらく今度はユーザーによるゲーム動画を積極的に増やす方向に舵が切られていくことが予想できます。もちろんこれまでもそういう試みはたくさんありましたが、プラットフォーマーが積極的に許諾する動きをしたことで、これからもっと増えていくでしょう。

先ほどお話した通り、正式な許諾をするということは、メーカーにリスクのある行為なんです。なんでそのリスクをとったかと言えば、リターンがあるからです。であれば、せっかくリスクをとったわけですらから、リターンを最大化しようというのは、どこの企業だって考えます。

メーカーが仕切って、動画をイベント的に募集することによって、メディアに大金を支払わなくても、ユーザーが自分で楽しみながらゲームの面白さを引き出し、動画にしてアップしてくれる、そうできたら良いなと誰だって考えます。

みんなで盛り上がるには、どんなゲームで何をテーマに募集したら面白いだろうとか、いい動画を作ってくれた人にはいいことがあった方がいいよねとか、考え出します。

そして、もっともっとゲーム実況が盛り上がると、ゲームそのものにも影響を及ぼすようになるかもしれません。
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