疲れを溜めやすい人と溜まらない人の違いとは?
同じ仕事をしていても、いつもハツラツとしている人もいれば、疲れ切っている人もいます。疲れに差が出るのはなぜでしょうか?
頭の重さは体重の10~15%(体重60kgの人では6kg以上)にもなります。体が疲れている状態では、首の筋肉をはじめとする姿勢を保持するための筋肉の負担も大きいものだと、なんとなくイメージがつきますね。ただ、周りを見渡してみると、全くもって疲労を感じさせないハツラツとした人もいます。
顔色も良くて肌もツヤツヤ、声にも張りがあって、笑顔も垣間見えるし、体の動きもスピーディー。仕事関係の話をしていても、面白いアイデアを提案したり、受け答えもハキハキ。全身、なまりを背負っているかのような自分と、何が違うのだろう?と考え込んでしまうかもしれません。
筋肉の酸素不足が疲労感に? 避けるべき体の酸欠状態
先述の「頭を支える」「姿勢を保持する」ための筋肉も、その機能をしっかり発揮するには、十分な酸素が必要です。筋肉の血流の滞りを防ぎ、酸素を行き渡らせた状態にしなくてはなりません。ですから、首や肩まわり、背中などの筋肉が凝り固まっているままだと、筋肉の酸素不足を起こしてしまう恐れがあるのです。酸欠状態になると、筋肉のコリ感も解消されず、座っているだけでも疲れてしまったり、頭の方への血流も低下することにつながります。良いアイディアが浮かばない、うまく考えがまとまらない、なんだかボ~ッとして会話のテンポが悪くなる、といったことも生じやすくなる可能性があり、体の冷えの原因にもなります。
■「酸素が足りない?」セルフチェック
次の項目にあてはまる数が多いほど「酸素が足りない」可能性が高いです。
□体のどこかに筋肉のコリを感じる (首・肩周り、背中、腰、お尻など)
□よく頭痛に見舞われる
□胃腸の調子が悪いことが度々ある
□鏡の前で笑顔をつくってみると……顔の筋肉が思ったように動かずひきつった笑顔になる
□大きく息を吸ってみると……胸部やあばら骨の辺りに筋肉痛のような痛みや硬さを感じる
□深呼吸をしてみると……大きく息を吸い込むことが難しい
□手足やお腹、お尻など、体のどこかが冷えている
□気が付くと、ぼんやりしていることが多く、気持ちが晴れ晴れとしていない
□眠りが浅い、いつも眠いなど、睡眠に問題がある
□運動不足である
□姿勢が悪くなってきた(他人からの指摘も含める)
疲労は肉体的な疲労と、精神的なことが関わる脳の疲労とに分けられますが、休息をとることで比較的早期に回復するのは肉体的な疲労です。上記の複数項目にあてはまる場合は、単純な肉体疲労だけではなく、精神的な要素も多少絡んでいることが考えられます。すると、心身の緊張状態が長引いてしまう「交感神経が優位な状態」になります。精神的な要因が複雑に絡むと、慢性的な疲労からの回復が難しくなるケースが多いです。
酸素量が足りない? 腹式呼吸でできる対処法
日常生活において、いつのまにか呼吸が浅くなっていることがあります
オススメは、なるべく横隔膜が刺激されるような腹式呼吸です。吸気は鼻からですが、呼気は口からです。副交感神経が優位に機能し自律神経のバランスを保つことができるようにするポイントは、ゆっくりと息を吐くように心がけることです。
自律神経のバランスが調整されると、酸素不足も解消されやすくなります。そして、体の筋肉がほぐれていくと、日頃の生活でも体が楽に感じるようになり、こわばっていた表情も和らぎます。気が付いた時や仕事で忙しい時にもぜひ、意識的に深呼吸を繰り返してみてください。呼吸法については「1分間の○○呼吸でオフィスの疲れを取る!」でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。