疲労回復法/疲れの原因・疲労度チェック・関連する病気

しっかり深呼吸で作る「疲れにくい身体」

疲れやすい人と疲れにくい人は、何が違うのでしょうか? 生活習慣の違いはもちろん、ちょっとしたことでも身体に大きな違いが出てきます。今回は無意識の「呼吸」で取り込まれる酸素量と疲労感の関係から、疲れにくい身体を作る呼吸のコツを解説します。

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

疲れを溜めやすい人と溜まらない人の違いとは?

疲れた女性

同じ仕事をしていても、いつもハツラツとしている人もいれば、疲れ切っている人もいます。疲れに差が出るのはなぜでしょうか?

職場で机に向かいパソコンを使用している時、重い頭を支えていること自体がつらく、首がすぐに疲れてしまうといったことはありませんか? 思考能力も低下して、仕事が思ったようにはかどらない……といったこともあるでしょう。

頭の重さは体重の10~15%(体重60kgの人では6kg以上)にもなります。体が疲れている状態では、首の筋肉をはじめとする姿勢を保持するための筋肉の負担も大きいものだと、なんとなくイメージがつきますね。ただ、周りを見渡してみると、全くもって疲労を感じさせないハツラツとした人もいます。

顔色も良くて肌もツヤツヤ、声にも張りがあって、笑顔も垣間見えるし、体の動きもスピーディー。仕事関係の話をしていても、面白いアイデアを提案したり、受け答えもハキハキ。全身、なまりを背負っているかのような自分と、何が違うのだろう?と考え込んでしまうかもしれません。
 

筋肉の酸素不足が疲労感に? 避けるべき体の酸欠状態

先述の「頭を支える」「姿勢を保持する」ための筋肉も、その機能をしっかり発揮するには、十分な酸素が必要です。筋肉の血流の滞りを防ぎ、酸素を行き渡らせた状態にしなくてはなりません。ですから、首や肩まわり、背中などの筋肉が凝り固まっているままだと、筋肉の酸素不足を起こしてしまう恐れがあるのです。

酸欠状態になると、筋肉のコリ感も解消されず、座っているだけでも疲れてしまったり、頭の方への血流も低下することにつながります。良いアイディアが浮かばない、うまく考えがまとまらない、なんだかボ~ッとして会話のテンポが悪くなる、といったことも生じやすくなる可能性があり、体の冷えの原因にもなります。

■「酸素が足りない?」セルフチェック
次の項目にあてはまる数が多いほど「酸素が足りない」可能性が高いです。

□体のどこかに筋肉のコリを感じる (首・肩周り、背中、腰、お尻など)
□よく頭痛に見舞われる
□胃腸の調子が悪いことが度々ある
□鏡の前で笑顔をつくってみると……顔の筋肉が思ったように動かずひきつった笑顔になる
□大きく息を吸ってみると……胸部やあばら骨の辺りに筋肉痛のような痛みや硬さを感じる
□深呼吸をしてみると……大きく息を吸い込むことが難しい
□手足やお腹、お尻など、体のどこかが冷えている
□気が付くと、ぼんやりしていることが多く、気持ちが晴れ晴れとしていない
□眠りが浅い、いつも眠いなど、睡眠に問題がある
□運動不足である
□姿勢が悪くなってきた(他人からの指摘も含める)

疲労は肉体的な疲労と、精神的なことが関わる脳の疲労とに分けられますが、休息をとることで比較的早期に回復するのは肉体的な疲労です。上記の複数項目にあてはまる場合は、単純な肉体疲労だけではなく、精神的な要素も多少絡んでいることが考えられます。すると、心身の緊張状態が長引いてしまう「交感神経が優位な状態」になります。精神的な要因が複雑に絡むと、慢性的な疲労からの回復が難しくなるケースが多いです。
 

酸素量が足りない? 腹式呼吸でできる対処法

日常生活において、いつのまにか呼吸が浅くなっていることがあります

日常生活において、いつのまにか呼吸が浅くなっていることがあります

酸素が足りない可能性のある人は、まず呼吸を深く行うようにエクササイズをしましょう。呼吸にも筋肉の働きが必要です。通常は、横隔膜や肋骨の間の筋肉、そして、頑張って呼吸を深めようとした際は、首やお腹の筋肉も使われます。

オススメは、なるべく横隔膜が刺激されるような腹式呼吸です。吸気は鼻からですが、呼気は口からです。副交感神経が優位に機能し自律神経のバランスを保つことができるようにするポイントは、ゆっくりと息を吐くように心がけることです。

自律神経のバランスが調整されると、酸素不足も解消されやすくなります。そして、体の筋肉がほぐれていくと、日頃の生活でも体が楽に感じるようになり、こわばっていた表情も和らぎます。気が付いた時や仕事で忙しい時にもぜひ、意識的に深呼吸を繰り返してみてください。呼吸法については「1分間の○○呼吸でオフィスの疲れを取る!」でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます