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株高・円安の今、投資信託は「割高」になっている!?

2014年10月31日、日銀が追加金融緩和を発表すると、その直後から日経平均株価は急伸、為替市場でも主要通貨に対して円安が進みました。相場が大きく変動したことで、個人投資家も一斉に動き出しましたが、果たして株高・円安の今、投資信託は「割高」になっているのでしょうか?

篠田 尚子

執筆者:篠田 尚子

投資信託ガイド

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「割安」な投信は存在する?

相場が大きく動くと、株式市場では度々株価の割安性に注目が集まります。株価水準の妥当性は、PER(株価収益率=株価を1株あたりの利益で割ったもの)や、PBR(株価純資産倍率=株価を1株あたりの純資産額で割ったもの)等で判断しますが、そもそも投資信託の基準価額に「割安」または「割高」な水準というのは存在するのでしょうか。

答えは「NO」です。
投資信託の基準価額は、ファンドに組み入れられている株式や債券の時価総額を、保有者全体の口数で割ったものです。基準価額はあくまで「口数あたりの時価総額」で、「価格」ではありません。このように、銘柄の需要と供給によって値段が上下する株価とはそもそもの性質が異なります。

運用開始時の基準価額である1万円を大きく上回っていても優良なファンドは存在します。他方、基準価額が数千円のファンドの中には、元本を削りながら分配を継続しているようなものも散見されます。投資信託では、基準価額の水準だけで客観的にその投信が割安だ、割高だと判断することはできないのです。

タイミングよりも、何をどう買うか


投資信託を評価する指標としては、取ったリスクに対してどれだけのリターンをあげたかを示す「シャープレシオ」や、ベンチマーク(運用の目安となる指数)のリターンをどれだけ上回ったかを示す「アルファ」などが多く用いられます。

投資信託を活用した資産形成においては、「いつ」買うかよりも、こうした指標を使ってファンドの良し悪しを判断し、購入方法(一括か積立か)についても考慮した方が最終的に成功する可能性は高いといえます。

投資信託の評価で用いられる指標の例

投資信託の評価で用いられる指標の例

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