立ちはだかる法律用語

法律を勉強して最初に戸惑うのが法律用語です。確かに、「瑕疵(かし)」、「欠缺(けんけつ)」など、普段使わない単語や法律の文章ならではの表現方法がありますので、初めて法律を勉強する人は、法律用語で苦労することが多いようです。そこで今回は、法律用語の攻略法についてお話したいと思います。

行政書士試験の法律用語の勉強法

行政書士試験で出題される法律用語の代表的なものとして、条文の頻出用語があります。例えば、条文でよく使われる「又は」と「若しくは」、「及び」と「並びに」の使い分けなどです(平成26年度行政書士試験 問題2にて出題)。出題が予想される用語数は50語程度と決して多くなく、基礎法学という科目で出題されます。

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法律の勉強ですから、まずは条文の頻出用語をしっかりと勉強してください。

条文の頻出用語以外の法律用語は不要なのかといえば、もちろんそんなことはありません。テキストには法律用語の注釈が適宜掲載されていますし、学校では講師が説明も加えます。にもかかわらず、受講生が法律用語に苦戦するのはなぜでしょうか。これは講師になりたてのころ、私の悩みの種でした。

法律用語に関する受講生の相談内容から考えると、原因は以下の3点に要約できると思います。それぞれを取り上げて対処法を考えてみましょう。
・法律用語の言い回しが苦手
・法律用語の定義を正確に覚えられない
・完璧主義

法律用語の言い回しに早く慣れましょう

「法律の文章は読みにくい」「頭に入ってこない」などの相談をよく受けます。それは法律は細かいことが原因です。場合分けをしたり、原則と例外があったりと、とにかく細かいと思って頂いて構いません。

例えば、平成20年度本試験 問題45の記述式の解答である「背信行為と認むるに足りない特段事情があるとき」という表現。これは簡単に言えば「背信行為がないときは」の意味です。なぜこのような表現をするかというと、裁判における立証責任を考慮して裁判所がこのような表現を用いているからです。

ところで、天秤を手にしている法の女神像を見たことがありますでしょうか。天秤に代表されるように法律はバランスの学問なので、対立する当事者について、結論の妥当性を考えて調整しなければなりません。例えば、この場合はAの勝ちだけど、こういった条件が備わっていたらBの勝ちになる、といったようなことです。

そのために言い回しが限定的だったり、例外があったりと、どうもすっきりしない表現が多いのです。これは法律の本質なので仕方がありません。世の中の真理を数式で表せる自然科学とは違うのです。法律の言い回しに慣れるためには、当事者の対立を常に思い描いて、どちらの、どんな利益を護ろうとしているのかを考えてみてください。法律の細やかな配慮が少しずつですが、わかるようになってきます。