ラグジュアリースポーツの極みグレード
BMWのMといえば、高性能に特化したサブブランドの嚆矢(こうし)であった。なかでもM3はその中心的存在。BMW M社が特別に仕立てた3シリーズベースの本格スポーツモデルである。当初は純粋に、モータースポーツのMを想起させるモデルで始まったM3だったが、M社の役割も時代とともに変化し、今では、BMWラインアップの屋台骨3シリーズにおけるラグジュアリースポーツの極みグレード、という位置づけになっている。
もっとも、通常ラインナップのスペシャリティ系モデルを偶数で呼ぶならわしになったため、クーペは新たにM4となり、セダンを従来どおりM3とした。ちょっと紛らわしいが、従来のM3がドア数の違いで、M3とM4に分かれただけ、というわけだ。
3シリーズそのものの車格があがってしまったため、そのMモデルもこれまで以上にラグジュアリーさを強調するモデルとなっている。もちろん、パフォーマンスも引き上げつつである。
このあたりの詳しい事情は、以前にアップした海外試乗記に詳しいので、そちらも併せてご覧いただきたい。ここでは、日本上陸を果たしたM4の、なかでも注目の3ペダルマニュアルトランスミッションモデルにじっくり乗る機会を得たので、その公道インプレッションをリポートしよう。