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“毒舌ビッグ3”マツコ、坂上、有吉はなぜウケる?(2ページ目)

マツコ・デラックス、坂上忍、有吉弘行の3人を「毒舌ビッグ3」と勝手に命名してみました。本職も芸風も事務所も違う3人が、なぜ今テレビの世界で引っ張りダコなのか。いろいろと考察してみます。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

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名ばかりの毒舌が横行

世間で毒舌タレントと言われる人達は少なからずいるようですが、大部分の方は言い方が過激なだけで内容的にはごく普通のことだったりします。つまりは小言をもらってるのと同じことかと。

ひところ流行った毒舌に「女子アナバッシング」がありました。その一例で「チャラチャラしてるだけで、原稿ひとつまともに読めない」というのは、実にもっともな批判であって、文章にしてみれば毒々しさのかけらもありません。

それを同世代の女芸人が嫉妬まる出しの表情で憎々しげに叫ぶと、いかにも毒舌っぽく聞こえてひと笑い取れるというカラクリ。ほかのタレントと違って、女子アナをいくら責めてもクレームは来ません。大元のテレビ局は番組さえ盛り上がれば、何の不満もない筈ですから。

夢の顔合わせを望む!

毒舌ビッグ3たちも、ひな壇に座っていたころには女子アナの悪口も言ってたと記憶してます。特にマツコ・デラックスは女子アナ嫌いで売ってました。しかし注目度が上がっていくとともに3人は、ありきたりな批判を口にすることを止めて、その代わりに自分が思っていることをユーモアを交えて語るようになりました。

3人のトークはありきたりの小言的毒舌とは違い、いずれもユニーク。例えば坂上忍の潔癖症トークも、笑いというオブラードにくるみつつ熱弁したことで、大爆笑を生み出しました。仮にこれを普通のトーンで語ったら、深刻なドキュメンタリーになったかもしれません。

偏っていることを百も承知で、自分の意見を自分の言葉で語り、しかもなるべく視聴者に不快感を抱かせない人って、実はテレビの世界でも数えるくらいしか存在しません。しかも、毒舌ビッグ3というタイトルでここまで書いてきましたが、最近の3人はそれほど毒舌を口にしなくなりました。そればっかりやっていると、さすがに飽きられるということを察しているのでしょう。

こうした賢さがあるからこそ、それぞれタイプは違っていながらも安定した番組進行ができるんでしょうね。この3人のうち2人が組んだ番組は「怒り新党」や「有吉ゼミ」ほか、特番でも何度かありましたが、トリオで思う存分トークする番組というのを一度見てみたいものです。テレビ界を揺るがせるくらいに、とんでもない番組になるでしょうから。
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