人から収納へアプローチ、生活の質を変えるほどの影響力を持つように
通りすがりにさっと仕舞えれば、家の中が片付けしやすくなる。
例えば、毎日の洗濯動線を吟味し、家の中を移動しながらパッと洗濯用品が出し入れできるような収納計画を立てれば、片付けがしやすいだけでなく、洗濯の作業効率も上がります。
また、読書をする時間がなかなか取れないと悩んでいた人が、寝室へ行く途中のすぐ手に取れる位置に本棚を作ったら、寝る前に読書時間を取るようになったケースもあるなど、収納計画で生活スタイルが変わった例もあります。
つまり人から収納へアプローチすることで、単にモノを仕舞う場所から、快適な生活を支える場所として、更に生活の質を変えるほどの影響力を持った場所として機能しているのです。
リフォームでの収納計画は、面積→目的→心理面の3ステップで
なぜ出しっぱなしになってしまうのか?をよく考えると、答えが見えてくる。
1ステップではまず収納面積の確認をします。昔の家と今の住宅では、収納面積の絶対量が違います。20年ほど前の家の場合は、収納面積は床面積の5%程度でした。しかしイマドキの暮らしでは、それでは全然足りず、10%~15%は必要です。20年前に比べて、それだけ持ち物が増えたのです。
2ステップ目では収納の目的を考えます。先に収納ありきではなく、何をどこに仕舞いたいのかをよく考えて、それから収納の形を考えることが大切です。
3ステップ目では心理面や生活スタイルからアプローチをします。ちなみに、片付けのしやすさとは、出し入れのしやすさとイコールです。出しっぱなしになりやすいモノは何か?なぜ出しっぱなしになってしまうのか?をよく考えると、答えが見えてきます。自分にとってラクに片付けできる収納、より快適に暮らせる収納を考えていきましょう。
と、ここまで「仕舞う」という言葉を使ってきましたが、実は仕舞うと考えると、収納計画は失敗しやすくなります。
収納は仕舞うのではなく、次に使うための準備の場所
「仕舞う」の意味を辞書で引くと、「そこで終わり」という意味を示しています。しかし収納はそこで終わりではありません。終わってしまったら死蔵品になります。収納は、次に使うための準備の場所です。そう考えて計画することで、自分にとって本当に使いやすい収納の形が見えてくることと思います。Copyright(c)2014 一級建築士事務所 Office Yuu,All rights reserved.